第18話 這いずる騎士
「フフ……ソレは残念。怖がりでなければ、今日の夜窓から外を覗いてもらって…夜の怖さと私の力を実感してもらう予定だったのに……怖がりならトラウマになるからダメね…。」
「夜の怖さと……私の力……?」と那自は言うとエレインに問いかけた。
「何なんですか?貴方のその力って……」
エレインがそれに答える前にルシミスが言った。
「魔女の…魔法の真髄よ……」
「………。」
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話を終え那自は客室に戻ると、リペッツを片手にかじりながら、早速かカーテンを開いて、完全に日が沈むのを今か今かと待ちわびた。
「闇這いね…。さて…。」
那自は、窓の外を見ながら、呟いた。
「……ん、うまいな…コレ」とリペッツを齧りながらそう言った。
「…でもこんなものより寿司とか、ラーメンが食いてぇ…みんな今どうしてんのかな…生きてたらいいけど…まぁ死ん出ることはないか…」
那自はさみしげに独り言を言いながら、夜食を楽しんでいた。
それから数十分後、突然大きな衝撃音が辺りに響いた。それは巨大なものが地面に落下したような音だった。
「ッ?!」
那自は驚いて窓の外を見つめると、屋敷の前の美しい庭園に、3メートル程の背の高い体系で背に4枚の白い翼
の生え、透明感のある甲冑に身を包んだ騎士の一団が宙に浮き、星のように空を埋め尽くして、こちらに向かって飛んできていた。
「ほぉ~来たか…あれが【闇這い】恐ろしい顔だねぇ」
と那自は呑気に言った。
「少なくとも、此処の世のものじゃない…かと言って、純魔力の肉体でもなければ亡者でもない…。ん? あれは…」
那自は、屋敷から出て来た。エレインの姿に気がついた。
エレインは、片手に枯れ木を持っていてソレを軽く闇這いの一団に投げた。
するとその枯れ木は、たちまち、赤い閃光のような輝く、矢のような鋭いものへと姿を変えて、闇這いの一団に向かって飛んで行った。
その矢が闇這いに当たるとまるで夜を照らすような眩い光を放った。そして、次の瞬間大きな爆発音が鳴り響き、だがその矢は爆発というよりかはまるで宇宙の生涯のように膨張と収縮をしたかのようだった。
闇這いの何体かは地面に叩きつけられそして光の塵となって消滅した。
そして残りの闇這いは、エレインのいる方を向いて、両手を広げるような仕草をした。するとその手の平に紫色の光が輝き、それは次第に黒鉄のような材質でできた、大剣へと姿を変え、闇這いは各々その剣を構えた。
「この屋敷を護るために…まぁ本人もさっき色々言ってたし…ここはお手並み拝見ってとこかな…。」
那自は、そう言って窓の外を眺めていた。
【ヘルナイン】 第三代目 帝 爻炎剣帝成閻魔 菜奈条那自の異世界転生 倉村 観 @doragonnn
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