30秒の災害
「敵。見える?」
俺と味方さんの立ち位置は俺が室内にいて味方さんは外にいる状況だ。足音的に多分敵は中にいる。
『見えるよ。ニューキャとジブ、重量級コンビだね』
「じゃあアビリティ切ってウルト使って突るわ」
『カバー回る』
俺は扉を開けてアビリティ、一人の分身を前に進める。すると分身が撃たれて敵の位置が見える。少し離れている。
「いやここはテルミで様子見」
『ラークするけど突る?』
「それなら突る。テルミ切れたら特攻で」
『りょ』
【なんかこいつの声どっかで聞いたことある気がする】
【やっぱ?なんかどっか別のチャンネルで聞いたような】
【え、なに有名人なの?】
【気のせいかなぁ】
【結論!気のせい】
「必殺!分身の術!」
『うわ狭いから敵が分からない』
「味方にさえ妨害するぜw」
『最悪じゃないか』
「何言ってんだ。最高だろ?」
『サイコの間違いでは?』
【ちくしょうなんだよこいつ】
【なんでじみぃにちゃんと使えるんだよ】
【利敵行為しながら勝つんじゃねぇ】
【狭い室内でのミラージュウルトは利敵行為と】
俺たちは2人だからか順調にキルをしていった。1回だけ俺がトロールしてカバーできずに味方さんがやられかけたりもしたが腰打ちクレーバーが当たってなんとか切り抜けれた。
「ラスト2パ。1パの場所は分かるんだけど残りの一つが分からん」
『ウルト切って走り回る?』
「最後までせっかくだからとっておきたい。アビリティ適当に置いとくわ」
『そんな単純な手に引っかかるやつなんていな「場所分かったわ」まじで!?』
都合よく所在が分からなかった敵がデコイを撃ってくれたおかげで俺たちよりももう一つのパーティーに近いことが分かった。
「漁夫りたいなぁ」
『そこは全員倒そうよ』
「いやめんどくさいもん」
『君ウィングマンあと何発撃てる?』
「60発かな」
『じゃあ突ろう』
味方さんがウルトを切った。1パは屋内。先ほどグレで扉を壊したのでいつでも入場可能。そこからもう1パまでは一応距離がある。よし、行けるはず。
『30秒の災害だ!』
「超高速リロードウィングマン行きます!」
『スリングに入れといたディボが主役になるよ』
敵のHPは瞬溶けした。奇跡的にウィングマンがめっちゃ当たって味方さんのディボはすげぇエイムで溶かしてた。
「漁夫の足音!」
『こっちはほとんど消耗ないよ?』
「さらにそこからめっちゃデコイ!」
『あと20秒!』
「余裕!」
俺はウィングマンとは別のもう一つの武器。ピースキーパーを取り出して最大チャージで敵を穿つ。100ダメ越えがでた。
「詰める!」
『オッケ――!』
「ワンピック」
『こっちきつい!』
「おkラークデコイ挟む」
『ナイス妨害』
横から俺はウィングマンを撃って最後の敵、ホライゾンを倒す。あとちょっとなのにここでアビリティを切りやがった。撃ちづら…いや行ける!キーマウの力ァ!
俺の視点は一気に上に向き空に昇っていくホライゾンに注目する。そして引き金を引いて95ダメージの表記とともに画面中央に『CHAMPION』の文字が浮かび上がる。
「っしゃおら!ナイスプレイ。GG♪」
『君うまいね。というより実力がモチベと比例してるタイプか』
「そうだね。割と情緒不安定な自分には合っていると思っているよ」
『ホントに情緒不安定だなw。急に冷静になるじゃん』
「そうだ。つうわけで今回の配信はここまで!最初から見てくれた人ありがとう!もしよかったら拡散とかしてね!知名度=で多分強くなれるはずだから。リアルの方で」
『あ、せっかくだしディs…』
ここで配信は閉じられた。この配信が明日にはあんなことになってるとは誰も考えたことは無かった。
『あ、せっかくだからディスコード繋いで定期的に遊ばない?』
「いいよ。作ったから」
『…今何人いるの?』
「
『ごめんって。だからニュースのやつやめてw』
そして今日ネッ友を久しぶりに作った。さあ以後に作ったのは…おそらく小学生の時だろう。そのネッ友も数か月後には一緒にプレイしなくなったが。力量差が違ったからな。俺じゃあの人と一緒に遊ぶのに適した強さを持っていなかった。
まあそんな過去の事はどうでもいい。俺は久しぶりにネッ友を作った。早速ボイチャ!はしなかった。疲れたからな。時間で言うと3時。疲れた。6時とかに起きてどれくらい知名度が上がってるかな。
そして俺は神になってから一度も寝ていなかった分を取り返すように深く眠りについた。
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