第7にゃ♫ 謎、ナゾ、なぞの??


「いっち、ニャー! みぃにゃんッ♪」


公園のみんな

「「「にゃんだ、にゃんだぁ?」」」


 どこからともなく聞こえてきた謎の猫声に、もふもふ公園のみんなは警戒モード! キョロキョロ、キョロキョロと、その姿を探す。


「ニャニャ~ん♪ フンフン♪ ニャニャって~♪」

「ニャおり~ん♪ ぷぃぷぃ♪ ニャるってぇ~♪」


 すると今度は、さすらいの鍵しっぽ猫ちゃちゃの奏でる、ウキウキ~楽しい歌に合わせて、絶妙な音階でハモり始めた。


「にゃにゃにゃ~ん!? ちゃちゃちゃネェが“ふたり”いるのにゃあ!」


(((えぇぇぇーーーーーー!!!!)))


「みニャにゃみにゃみにゃ~ンさま♪ ランラン♪ みんニャ~、元気ぃ!? ご機嫌ヨォ~ヨォ~?」


 にゃんにゃんの見る視線の先に現れたのは、言う通り! 見た目や話し方もちゃちゃそっくりな猫。


「う、うミュみゅです! まさかのまさかニャノですが……アナタはッ!!」


「ルン、ルルン♪ にゃあ~にぃ? 君はウチのこと、知ってるんニャ?」


「も、モチのロんろんであります! 僕にシラナイことはニャいのです!! ナはははぁ~……ミんにゃ~憧れですォ~♡」


 そう言うといつもは冷静なイケメン王子、ミルが“ぽわん♡”とほっぺを赤らめ、空想の世界に浸り始める。


公園のみんな

(ミル、やばいニャ?)

(お空みあげて、ぽわぽわしてるニャ?)

(にゃー……それで一体、誰にゃんだニャ?)


 ミルの夢見心地な顔を見ながら、つぶやく公園のみんな。

 どうやら突然現れた『謎の魔法猫ちゃちゃにそっくりな猫様』のことは、よく知らないらしい。


「あらランラン? それはそりは~ウチのこと知ってくれルンにゃんてぇ? 嬉しいでするニャんにゃあ、ニャるってぇ~♪」


 着ているマントのような服! 

 それをフワッとしながらポーズをとる立ち振る舞い!!

 語尾の独特なリズム口調が、ちゃちゃとよく似ている。

 極め付きはその薄い茶色と黒、それに白が入った上品な三毛猫(いわゆる、パステル三毛)という、このあたりではあまり見ない毛色だ。


 と、いうことは……やっぱり?


「にゃあ! ミル兄が喜んでるんだニャ! ねぇねぇ! ちゃちゃちゃネェと似てるんだぁ……にゃーは、誰?」



公園のみんな

「「「にゃにのにゃあーーーー!?」」」

(((怖いもの知らずーーーー!?)))


 今回もなんの迷いもなく近づき、にゃーにゃー話しかけるにゃんにゃんに、公園のみんなは再びビックリ飛び上がる! そしてお目め、まんまるなのだ。


 これまたすかさず、お兄ちゃん的存在のホクが、にゃんにゃんを注意する。


「おい、にゃん! だからさっきも言ったがニャ!! 突然そんにゃーことを初めての猫様に言ったら、失礼ニャんだぞ!!」


 自分の世界に入っていたミルがハッと返り、「ニャっほん!」と咳払いをする。そしていつもの、キリッとイケメン顔でしゃべり始めた。


「ウンウン、分かるのダヨ~? みんなが聞きたくなるキモチはにぃ……。よしよし、僕から教えるんだナん」


「そ、そうニャのか? あ、にゃっはは、はは……にゃ~お願いするか」


 明らかにいつもと違う、ミルのカッコつけた感じに動きの止まるホク。しかしにゃんにゃんはお目めキラキラのキャッキャで、ミルに飛びついた。


「さすが、ミル兄! かーっくい~!! 物知りにゃ~おちえてにゃああん♪」


 にゃんにゃんの、ノリノリ気分にしちゃう攻撃に、気を良くしたミルは土管まで走っていき、シュタッ!! 謎の猫様も一緒に、と招き紹介を始めた。


謎の猫様「ニャるってぇ~?」


「コチラの『きゃぴきゃぴっ、キャピッ☆』としたカワゆぃ猫様は――!!」


 結果発表ならぬ、お名前発表!

【ドラドラドラ~♪】というドラムロールでも聴こえてきそうな(本当は聴こえない)雰囲気の中、めいっぱい声をためたあとにミルが発表しようとした――その時!!


「うみゅ? ニャ~い、みんにゃあ? ウチのこと、知りたいんニャ?」


「あ……うにゅフッ! ボ、僕からノン、ご紹介を~……ぁぅ~」

「うにゃっはぁー! にゃんは知りたいのニャあー!!」


 気合を入れ過ぎたミルはズルっと調子を狂わされ「にゃー……ぃ」と小さな声。しかし、もうにゃんにゃんの心は謎の猫様に奪われている。瞳を輝かせ期待の眼差しで、土管の上を見ていた。



【ねこねこデータ】報告書。


 番号ろく (謎の歌猫様)

 

  詳細不明!? 次の報告を待て!



 にゃんにゃん情報♪

 ☆本日の習得スキル (ノリノリ気分にさせちゃう攻撃)

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