第6にゃ♫ しあわせの鍵しっぽ


「ニャにゃ~ン、フンふん♪ はぁいコネコちゃん♪ 元気になったにゅ~?」


 歌いながら可愛い鍵しっぽが、右に~左に~ぷぃぷぃ。

 ゆるり~ん、ゆられれ~♪ と揺れている。


 すっかり元気を取り戻したにゃんにゃんは、元気を通り越して興奮マックス☆ その、ゆるゆら~♪ と揺れるしっぽに……!!


「うぅぅ! にゃっはぁあ~♪」

 思いっきり、飛びついてしまった。


「こ、コラー! にゃんッ、やめんかぁ!!」


 ココで今、焦っているのがお兄ちゃん的存在のホク。にゃんにゃんの命(?)の恩人かもしれない謎の猫様に、ケガでもさせたら大変だぁ! と大慌て!!


「わたちのしっぽぉ、か~ぎしっぽぉ~♪ ニャニャってぇ~♪」


 よーく見ると、涼しい顔をしてにゃんにゃんのじゃれ攻撃をひょひょいっと軽くかわして、しっぽで遊んであげている。


公園のみんな

 にゃにゃにゃー!!

(おみごとニャー!!)


「うニャふゥ~。たすかったナノにゃんダヨ」

 元気になったにゃんにゃんの様子をみて、お礼を言うミル。


「えーにゃ、えーにゃ! もんだいにゃいにゃいッばぁ~♪」

 謎の鍵しっぽ猫は、独特のギャグを交えて答えてくる。


 そこへ、そろそろ鍵しっぽのゆる~ゆられ~遊びに飽きてきたにゃんにゃんが、目の前に回ってきた。


「にゃあ! しっぽのねこしゃん! にゃーは誰?」


公園のみんな

「「「にゃーーーー?!」」」


 なんの迷いもなく、新入りの謎の猫に近づき、話しかけるにゃんにゃんに、公園のみんなはビックリお目め、まんまる。


 すかさずホクが、にゃんにゃんに注意をする。

「おい、にゃん。突然そんにゃーこと言ったら、失礼だニャ」


謎の猫「ニャニャってぇ~?」


 しばらく黙って見ていたミルが笑いながらしゃべり始めた。

「みんなが聞きたい事シャラっと! そゆトコは、やぱ~り子猫ナノだよ~」


 にゃんにゃんすごぉ~! と、みんなの注目を浴びて、ご機嫌なにゃんにゃん。訳も分からず「エッヘン!」と、なぜか誇らしげなお顔だ。


「あぁ~、調子にのらしちゃいけにゃい……」

 呆れ口調のホク兄さんはその場に座り、猫背~で頭を抱えた。


「うにゃあ~? にゃんダメかったぁ??」


――キラキラッ☆ りり~ん♪

 首につけたキラッと光る鈴を鳴らしながら謎の鍵しっぽ猫は、走って土管の上に乗ると、自己紹介を始めた。


「にゃははっ! 自由の旅猫、歌猫、鍵猫ハッピ~♪ そ・の・名・はぁ……」


(((そ、その名はぁー?!)))


 集まってくる公園の猫仲間たち。


 みんな今か今かと、次の言葉を待っている。


“ジーーーーーー~~ッ”


「にゃ♪ ニャ♪ にゃ~♪」


公園のみんな

(う、歌ってるニャ?)

(いや、数を数えてるんにゃ!)

(にゃー待ちくたびれニャ……)


 魔法の薬“マタタビ”を持つその猫の名前が、みんな気になって、気になって!! しょうがなかったのだった。


「プっぷぷ。タメすぎニャふ! はやーく言うナノだよぉ~ん!」

 ミルがふきだし笑いながら、催促をする。


「おぉ~そうだったニャ♪ ではでは」

 着ているマントのような服を、フワッとしながらポーズをとる。


 薄い茶色と黒、それに白が入った上品な三毛猫で(いわゆる、パステル三毛)。そして、裾から見えた前足は靴下にゃん。可愛い鍵しっぽには白いリボンが付いていて、まるで天使のよう(笑)


 さぁ今度こそ! と、自己紹介の続きを言い始めた。


「にゃっふ~ん♪ わらわは~さすらいの『ちゃちゃ』じゃあ! ……んにゃ? 参上?! うーニャ、やっぱりぃ~! ちゃちゃここにありッ! だニャ~ん♪」


「「「おぉぉぉぉ!!!」」」

 公園のみんなが、声を上げた。


(さすらいって……)

 ホクは、少し引きつった表情で「あはは~」と、力なく笑う。


「ちゃっちゃっちゃ~ちゃ♪ 登場!! みなみニャさまぁ! わたぁ~ちとッ♪ よぉよぉ~なかよぉしてチョッ! コレートぉ~♪」


公園のみんな

(にゃふ~やばぁにゃ)

(まったー個性的にゃんキタぁー)


 みんな様々な気持ちで観察しながらも、(一応)歓迎ムードは漂っていた。


 すると、ある猫が、元気いっぱいでおしゃべり開始!!

 それはもちろん、にゃんにゃんです。


「にゃっはぁ~! ちゃちゃちゃ姉様は、にゃかま? にゃかまなのぉ~?!」


 にゃんにゃんは、おめめをキラッキラに光らせながら、嬉しそうにホク兄の周りをグルグルと走り回っている。


「にゃ~、信じられないにゃ。あんなに苦しそうだったにゃんが! 元気いっぱいになって、本当に良かったニャ……が、元気がよくなり過ぎなんだニャ」


 疲れ切った顔で、にゃんにゃんの健康を喜ぶホク。


「まぁまぁ~ホクホク~。ホントよかっタですのぉ~ん」


 ニコニコと、素敵な笑い顔で話す博士、サバトラ猫のミル。


「まぁニャ……確かに。うむ、そうだニャ! ミルがちゃちゃさん? と知り合いだったおかげと、博士的な勘のおかげだにゃ」

 

「やぁニャ~、テレッテレッ♡ しちゃうネェ」


 ホクに褒められたことが、よっぽど嬉しかったのか? ミルは珍しく、草の上に寝っ転がって、ぐり~んぐり~んとゴロゴロくつろぎ始めた。


「あ、アハハ……」ホクはまた引きつり笑う。


 さて、賑やかな時間はまだオワラナイ! 次に聞こえてきたのは、にゃんにゃんの楽しそうな声だ。


「ねぇ! ねぇねぇ♪ ちゃちゃちゃネェ!!」


「おやおやぁ~にゃあにぃ? どぉしたぁ~コネコちゃあ~ん♡」


 右に直角真横ぐらいに、首をかしげて、うっふふ~ん? と、答えるちゃちゃ。


「にゃん! ちゃちゃちゃネェ♪ 『にくきゅう戦士』に入るニャ~?」


「にゃ? えぇよぉ~ん♪♪ おもしろぉネェ! ニャニャってぇ~♪」


公園のみんな

「「「はぁにゃあぁぁぁぁ!!」」」

(((やばぁにゃぁぁぁぁ!!)))


「い、いや……ちゃちゃさん? やめた方がいいのですニャ」

 さすがにそれはと、にゃんにゃんの体力を知らない、新入り薄三毛のちゃちゃに危険を知らせる、ホク。


――しかし……!!


「兄さんにゃーん♪ わたちはちゃちゃだっは? だあ~いじょぶぶブゥ~ン♪」


(((あ、いやホントに大丈夫かもしれニャい)))


 そう周りの猫たちは、うすうす感じていた。


――この新入り、ただ猫(ただ者)じゃないニャ!!!


 すると、ではでは~とちゃちゃが美しい姿勢でお座り、話を始める。


「いっち、ニャーのぉ~!! み・にゃ・さ~んッ♪ ちゃちゃのちゃちゃっと、ショーのはっじまり~んりぃん、はじまりぃ~ニャん♪」


「「「えーーー?!」」」


 ちゃちゃは、にゃふんっと笑うと、また魔法の言葉を歌い始めた。


「ニャニャ~ん♪ フンフン♪ ニャニャって~♪」



 あれれ? 結局、何猫(何者)??

 またまた、何かが起こりそうな予感デス。



【ねこねこデータ】報告書。


 番号ごぉ (鍵しっぽのちゃちゃ)

 毛色   (薄い茶・黒・白のパステル三毛+靴下)

 性格   (可愛い声・いつも陽気で猫ギャグ好き)

 ねこレベル(心掴む天使の歌い猫♪)

 攻撃スキル(魔法? の言葉と道具を使う)

 隠れスキル(鍵しっぽと白いリボンで引きつける)


 おうち  (さすらいの旅猫にゃ)



 にゃんにゃん情報♪

 ☆本日の習得スキル(誰とでもなかよぴッ)

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