第3にゃ♫ おいらも仲間になりたいニャ
「ほぇ~……ぽっかぽかにゃあ~♪」
ある日の昼下がり。もふもふ公園の猫たちは、あったかポカポカお日様を浴びて毛繕い。のんびり~まったり~した時間を過ごしていた。
「にゃにゃあ?」、「うにゃうにゃーにゃにゃ」
(なにする~?)、(とりあえずひなたぼっこ)
穏やかな時間が流れている……と、思っていると。
「う~~~っにゃはぁぁああ♪♪」
キャッキャッ! ルンルン♪
公園のみんなは耳を澄ますと一斉に、にゃんの方を見た。
(あ……起きた。この穏やかなひととき……オワッタ)。
「ホク兄♪ ホク兄ぃぃ~♪」
「んにゃ?……ふわぁ~ニャ? にゃんにゃんかぁ、どうした?」
にゃんにゃんのお兄ちゃん的存在、三毛猫のホクはとても面倒見が良く。みんながにゃんにゃんの元気に、ヘトヘトお手上げだニャ~となった後も、ずっと指導係をしているのである。
公園のみんなは、にゃんにゃんの元気の良さに、ある意味感心しながらも、これから何をするのか? 動きを注意深く見ていた。
(にゃんにゃん元気あり過ぎ! 寝起き良すぎだニャ!!)
のんびりしていた公園の雰囲気は、たちまちいつもの明る~く、賑やかぁ~な、いつもの時間に戻った。
「お前~もう起きたのニャ?
「ひゃっほー♪ にゃああああん、キーック!」
にゃんにゃんの場合、起きたばかりでご機嫌悪いどころか、ご機嫌最高マックス上昇中!! 草むらを転げ回って遊び始めた。
「こら! にゃんッ!! おぉーい、危にゃいぞ」
すると?!
「ンぎゃうッッ!!!」
誰かの、大きな鳴き声がした。
「うにゃ~大変だニャ! ほら、にゃんにゃん!! 言わんこっちゃニャイ」
そう言うと急いで声のした草むらへ、ホクは走って行った。
「にゃは~? ごみんね? 痛い? 痛くニャ? 痛い? ……」
さすがのにゃんにゃんも、反省してお耳がショボン。
「だ、……大丈夫だニャ」
駆け寄ってきたホクは鳴き声の主にビックリ!
「お前は、一丁目のぷくじゃにゃいか!! 久しぶりだニャ♪」
「あぁ~ふぅふぅ。久しぶりっぷく。イテテテ」
「あぁ! そうだったニャ、うちのいたずらっ子がすまニャイな~」
どうやら、ふたにゃん(ふたり)はお友達(?)のようです。
「ニャッ? にゃあ? にゃは~♪」
にゃんにゃんは、お目めキラーん☆ 仲良しモード発動――!!
「だれ? にゃーホク兄、だれだれ?? にゃかま(仲間)?!」
にゃんにゃんは、猫仲間が大好き。猫見知りをしないので、知らない人が来ると、嬉しくて仕方がないのだ。
「あぁ、にゃんは初めて会うニャ? 一丁目の福太郎こと、ぷくだ」
お隣一丁目の、大福やさんに住むふっくら小太りな、白黒ハチワレ看板猫。
その名も『福太郎』……。
「あっ、おいら福太郎。やぁ、この子があの子猫ニャ? 二丁目の元気いっぱい、キジトラくんのお噂は、にゃーにゃー(かねがね)聞いてるっぷく」
ホクは「あーはっは~どんな噂ニャ~」と、微妙な表情を浮かべる。
「それより、ぷく? 今日はどうした?」
にゃんは、なぜだろうか? 期待の眼差しで、ぷくのことをじーっと見ていた。そして……にゃんにゃんの期待は当たるのだった。
「実はおいら、その、噂の子猫くん。にゃんにゃんの修行仲間にしてもらいたくて来たんだぷく♪」
公園のみんな
(((……エッ?)))
「「「にゃあんだってぇぇー???」」」
「えぇ♪ ぷく兄? 僕の?? にゃっは♪」
ぷくは恥ずかしそうに話を続けた。
「ニャ~、最近太り過ぎたぷくで。運動しようと思っ……」
「にゃにゃー! ぷく兄にゃかま♡ 『にくきゅう戦士』で平和を守るニャ?!」
公園のみんな
(あ~あ。もう逃げられニャイにゃ……)。
「ぷく? にゃんにゃんくん?! ニャンのことだい?」
キョトン顔で、不思議そうに聞いている福太郎に、ホク兄は“ポンッ”とおててを優しくのっけると、応援の声をかけた。
「ぷく……頑張れにゃのだ」
「……??? ニャ?」
「ぷく兄ィ~!! 練習するのニャ~♪」
◇
それから、数時間後。――そう、夕日が沈む頃。
『愛と平和のにくきゅう戦士! ぷくぷく参上ぉぉ!!』
「にゃ、にゃはは。にゃはあはあはは……」
まんざらでもない福太郎の姿に、三毛猫のホク兄は、何とも言えない気分の中、静かに笑ったのだった。
◇
【ねこねこデータ】報告書。
番号さん (福太郎のぷく)
毛色 (白黒のハチワレ)
性格 (のんびり穏やか、ふっくら小太り)
ねこレベル(店を取り仕切る? 看板猫)
攻撃スキル(お客様の接客)
隠れスキル(頂いたものは有難くもぐもぐ)
おうち (一丁目の大福やさん)
◇
にゃんにゃん情報♪
☆本日の習得スキル(友達を作る仲良しモード)
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