知らんけど

 気になってた人に恋人がいた。仕事でミスをした。お気に入りだったアイシャドウのパレットを落として中身を砕いた。もうだめだ。今日はだめだ。多分この調子だと明日もきっとだめだ。思わず仲のいい友人に電話した。

「そんな時もある!あんたは大丈夫よ、知らんけど!」

 お前、結局知らんのかい。雑な励ましに少しだけ救われる。友人は既に違う話を始めていて、わたしの不幸話は不幸気分と共に流れていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る