拭えぬ手
君が僕に会いたいと泣きながら表に来ていると聞いた時には大層驚いた。
即刻追い払うように指示を出し、物理的に無理やり君を遠ざけた。
それなのに君はいつも泣きながらやって来ては僕に一目会わせて欲しいと懇願する。
部下の顔は日に日に気まずそうになっていく。僕はと言えばそんな部下を気にもとめない素振りをして、君を追い払う。
嗚呼、嗚呼、愛しの君よ、君の涙を拭えぬ手など、どうか忘れておくれ。
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