インク
あなたが以前、わたしに似合うと選んでくれたインクの小瓶。もったいなくて、少しずつ使っては小瓶のガラス越しに眺め、ノートに走る線を眺めと日々わくわくしながら使っていたインク。
些細なことですれ違って、あなたとの繋がりが切れた今も、インクは小瓶の中で穏やかに揺れて、時折光を反射している。
今ではもう、あなたがどうしてわたしにこのインクが似合うと言ったのかわからない。
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