自己紹介『死亡記事』

とあるネットニュース

ハトヤヒロ（はとやひろ、年齢性別非公開）が、きょう未明、東京都内の自宅で死去。心不全だった。

ハトヤヒロ氏は、主にインターネット上で短編小説や短歌を発表していた。

人間味や生活感、また人と人との関係性を描いた作品が多く「人間へのあこがれ」を感じさせる作風が特徴。ジャンルとしてはホラーにやや傾倒しており、本人はコメディだと思っていても他者からするとホラーである、といったことが頻発していた。

2024年より、ひとり文筆ユニット『はしりがき』を立ち上げ、活動していた。

また、ハトヤヒロ氏は、幼少期から舞台芸術に触れ、高校卒業後は劇作家として学び、活動していた。

しかし、挫折に次ぐ挫折、そして挫折。一度目は自分よりも圧倒的に能力の高い同期への嫉妬心、二度目はコミュニケーション不全による精神不安定、三度目は仲違いによるもの。

三度目の挫折でようやく「他人と共同でものをつくることに向かない」ことに気付いたタイミングで『はしりがき』を立ち上げ、一人で好き勝手に、縦横無尽にものをつくり始めた。

舞台関連で二度ほど受賞しているが「一位ではない」という理由から賞状をすべて破棄している。

氏をよく知る関係者からは「心不全？糖尿ではなく？」「飼い猫二匹は誰が引き取るのか、それが心配」といった声が届いている。

葬儀は近親者のみで執り行われ、お別れの会などの開催予定は無し。