第5話 サンタさんは祟り神!?
体が凍てつく程の猛吹雪によって、辺り一面銀世界の異世界だ。
この銀世界を照らす月夜に、一匹の白い猫が佇んでいる……そう――コハナちゃんだ。
それも猫専用のサンタコスをしたコハナちゃんだ。
「しかし何ゆえこのような衣装を纏わねばならんのか、普通にプレゼントを渡せば良いものを」
「さて……奴に褒美でもくれてやるか」
コハナちゃんは魔法で少年へと変わり、サンタコスのまま外を歩いた。
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一方その頃、激務の果てにようやく解放された美海は、玄関を開けると一目散にベッドへダイブする。
ハァ~とため息を吐きながら、今日1日のことを振り返っていた。
「リア充め……」
外も会社の中もカップルだらけで嫌気が差していたのだ、仕事中に彼氏から電話がきて楽しそうに話す先輩に、何をプレゼントしようか迷ってるみたいな事を、仕事中に相談してくる後輩……とまぁこんな感じの1日であった。
「まぁいいんですけどねぇ~独り身でも」
「コハナちゃんはまだ出掛けてるのかな……」
コハナちゃんがいなくなるのは度々あるが、今回は正直長い、大抵22:00にはもう帰っているのだ。
「……(まぁどうせ寝てる間に帰ってくるよね)」
そうしてうとうとし始め、やがて眠りにつく美海。
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それから数時間が経過した頃、窓がゆっくり開く音が微かに聞こえた。
テクテク歩くその姿は、人によっては天使のようだと感じる者もいるだろう。
そう……コハナちゃんが魔法で窓を開けて帰ってきたのだ。
口の四つ葉のクローバーを咥えながら。
「……(案外探すのに時間が掛かるものだな、もう寝ているではないか)」
「……(これは日頃の感謝の褒美だ、受けとるがよい)」
咥えていた四つ葉のクローバーを美海の髪にそっと置くと、静かに台所へと向かい猫用の食事をとるのであった。
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