第2話 魅惑の二次創作時代を経て
二次創作――それは原作に敬意を払い、節度を守り、ルールを守って楽しむこと。あくまでも作者先生の大切なキャラクターや設定をお借りして創作をしているのだと認識すること。
二次はまさしく魅惑の世界です。
私の場合、惚れたキャラクターは九割九分が原作の中で命を散らすタイプですがそんなキャラクターとの“もしも”の世界を文章として描くのはとても楽しくもあり、寂しくもありました。
こうして私のようにオリジナルの物語を書く前に、特に女性向けを書かれている方などは二次創作を書くなり読むなり触れられていた方は多いと思います。
つまりは書き手も読み手も最初から頭の中に“明確なキャラクター像が存在している”と言う前提での創作活動です。
これが仇になりました。
致命的なまでに私の書いたオリジナルの物語には情報が足りないのです。
書き手と読み手の両者、共通認識の元で成り立っている二次創作。
このキャラならこうするよね、このキャラの髪は猫っ毛だから、と元から情報が備わっている……多少の描写の抜け落ちなど、脳内で勝手に補完してしまう恐ろしい現象が私の物語のなかで起きていました。
・・・
私は今一度、幾つか目標立ててから自分の物語を読み直します。
「これは話の掴みがどうとか以前の問題だ」
気が付けただけマシだ、と思いたいくらいでした。
勿論、私はプロではありませんし二次でも短編ばかりを書いていて10万字~の長編を書いた経験は殆どありません。
素人ゆえに何もかもツメが甘い、が前提として。
そしてその物語はもう過度には直せない、とも悟りました。
何度も手を加えすぎると次第に際限がなくなっていき、物語が揺らいで崩壊してしまう恐れがある。
これは気をつけたい所です。
ある程度で諦めるのも必要だと言うのは知っていましたので幾つか情報を追加しただけで改稿を終了させてからは触れていません。
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