第16話 舞は一皮むけたぞ!

 舞子さんの話を聴いた俺は、舞の部屋に戻って待機する。女子は男子より感じやすいのは驚いた。異性の体は、不思議と謎でいっぱいだよな。


それからちょっとして、舞が戻ってきた。今まで見た事がないパジャマ姿に加え、シャンプーとかの良い匂いがする。一言で言えば最高だ!


「? どうかした?」


いかん、ジロジロ見過ぎた。


「何でもない…」


“風呂から上がったら、俺がやったのと同じ事をする”と言っていたが、その件はうやむやになるかもな。そうなっても、責めるつもりは毛頭ない。


「さっき言った通りやってあげるから、こっち来て」

ベッドのふちに座った舞は、俺を隣に誘う。


「本当にやってくれるのか?」


「あたしだけ一方的に気持ち良くさせられるのは納得できないの。スケベな正志と違って初めてだから、うまくいくかはわからないけど」


「俺だってあの時が初めてだよ!」


「そうなの? てっきりの賜物かと…」


「俺、ふざけてるのは自覚してるが、スケベだとは思ってないぞ。これぐらいが普通なんだって」


彼女がいる中3なんだから、エロい事を考えるのは当たり前だ。


「…そういう事にしてあげる。来て」


「ああ…」

俺は舞の隣に座る。



 「…どう? さっきのあんたを参考にしたんだけど」


舞の言う通り、彼女はさっき俺がやった『耳に息吹きかけ・耳を甘噛み・首筋を舐める』を完コピしている。


実際に受けると、気持ち良さと恥ずかしさが合わさって変な気持ちになる。あの時の舞はこういう気持ちだったんだな…。


俺はそれに加え“風呂上がりの良い匂い”という追撃を受けている。このままだと、正気を保てなくなるのは時間の問題だな。


「すごく良い感じだ。けど…」

俺は舞をベッドに押し倒して、上に覆いかぶさる。


「舞の責めが気持ち良すぎて、も元気になったよ。何とかしてくれないか?」


舞の手を掴み、に誘導する。


「えっ? これだけで大きくなるの?」

見るからに舞は動揺している。


「これだけなんて謙遜しなくて良い。俺はもちろん、も大満足したって事だ」


「……」


「いつもは舞子さんが教えてくれるが、今は俺が手取り足取り教えるよ。この間と違ってちゃんとするからさ(6話参照)」


「…教えてくれるのはありがたいけど、明日も学校あるから今度にして。休みだったら夜更かししてでも聴くから♡」


そこまで長くなるとは思えないが、舞は真面目だから仕方ないか。


「わかった…。金曜の夜にじっくりな」

今日は火曜の夜だから、3日後になる。


「ふわぁ~、今日は色々あって疲れたわ。早く寝ない?」


「そうだな」

舞が興奮させたから、寝付くのに時間がかかりそうだ。



 舞のベッドの横に布団を敷いて寝る俺。この高低差怖いな…。


「舞。念のため訊くが、ベッドから落ちた事ないよな?」

最悪下敷きにされてしまう。


「ないわよ。失礼ね」


「そうか。なら安心だ」


「……清美さん、心配よね」

少し間が空いた後、舞がつぶやいた。


「そうか? 母さんがポロナなんかに負ける訳ないだろ。すぐ元気になるよ」

今の俺に出来るのは、そう祈るだけだ。


いや、一応連絡できるか。返信を当てにせずに〇インしても良いかもな。


「…余計な心配しちゃったみたい」


それから間もなく、舞の寝息が聞こえてきた。俺はあの時の興奮がようやく収まってきたところだ。


まさか舞がこんなにエロくなるとは思わなかった…。俺が気持ち良くする前からは想像できない変化だ。言うまでもなく、この変化は大歓迎だぞ!


舞子さんは「スイッチが入れば乱れる」と言っていたが、言葉通りになったな。母親は子供の事が手に取るようにわかるのか? それとも舞子さんが特別?


…興奮が収まって賢者タイムっぽくなったせいで、眠気が一気に押し寄せる。考えたい事は他にもあるが、俺は寝る事にした。

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