第5話 カイトとクゥの世界

僕は、祠の中に立っていた。

そう、立っている。

足の裏の感触がある。

手を動かす。

顔の前へ…色白な手だ。

それに、とても小さい。

子供の手かな。

辺りを見渡す。

祠からは、外の風景が見える。

湖と奥に広がる樹海が。

僕の目線の高さが低いことも分かった。

そして、外を見ていると僕を見る双眸に気づいた。

祠の前で、団栗眼で僕を見つめる少女が立っていた。

少女は、3~4歳ほどでぼろぼろの薄汚れた白だっただろうワンピースを着ている。

それに、ほんの少し耳が尖がっているような気がする。

エルフ?


「君は?」

「あたしクゥティアマウ」


ん?なんか長い名前だな。

たぶん、口に出しては言えないかも。

あれ?そういえば僕、声が出た。

なんだか、思っていたよりも高い声だ。


「あなたは?」

「僕?僕は…あれ?」


名前、なんだっただろうか。

うん?そうだなぁ。


「カイト…僕は、カイトって言うんだ」


なんとなく、そんな名前だった気がする。

口にしたらそんな気がした。


「じゃあ、カイト…くん」

「えっと、クゥ…ティ…?」

「クゥでいいよ」

「じゃあ、クゥちゃん」


それにしても、いつ人の姿になったんだろう。

いや、どんな容姿だろうか。


「カイトくん、初めて見る…どこの子?」

「えっと、分からないんだ」


なんだろう、さっきまで覚えていたようなことが思い出せない。

風に飛ばされて…ここまで流されてきた。

何かがあった気がするのに、思い出せない。


「そうなんだ…よかったらあたしの村来る?」

「いいの?」

「…たぶん」


僕の右手を取って、クゥが歩き出す。

小さな手。

温かくて柔らかな手だ。

僕は、彼女の歩幅で歩きだす。

というよりも同じくらいだな。

たぶん、僕も同じくらいの背丈なのだろう。

クゥの目線と変わらない気がする。

そう言えば、どこの子と聞かれたということは僕の容姿は彼女に近いのだろうか。

僕は、左手で自分の左耳に手を伸ばす。

すると、細長い耳があった。

ふむ、たぶんエルフ的な種族なのだろう。



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クゥは、クォーターエルフ

エルフの特徴が高い

クォーターだが、ハイエルフ相当の先祖返りをしている。

(人間×ハイエルフ)×(人間×人間)=クゥ

実際は、クォーターハイエルフ(ややっこしい)


カイトは、小神霊

小神霊→準神霊→純神霊→大神霊







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