第4回 キャラクター『LINE TOWN』(テレビ東京)の『ジェシカ』

 放送が終了してから10年以上経過した今でも、私は『LINE TOWN』が好きだ。あのLINEでお馴染みのキャラクターたち『LINE FRIENDS』が喋って動いている姿が、かわいらしくて楽しいアニメだった。

 特に私が好きなキャラクターは作品のメインヒロインである、うさぎの『コニー』だ。第1話を見て、すぐに「えっ何この子、超かわいい!」と興奮したことは今でも覚えている。かわいいキャラクターデザインなのはもちろんだが、金田アキさんによる声と演技、愛嬌のある言動など、とにかく魅力に溢れていた。

 コニーはときに……いや毎度のように問題を起こす困ったちゃんではあった。それでも私がコニーを嫌ったことは、一度もない。そのくらい大好きなヒロインなのだ。くまのブラウンがコニーを好きになるのも理解できる。大好きなコニーのために頑張るブラウンや、コニーへの片想いを露にするブラウンを見てキュンときた視聴者は多いだろう。

 ちなみに私は『LINE TOWN』を見るまで、コニーを男の子だと思い込んでいた。放送前に『LINE FRIENDS』のキャラクターグッズを見かけることが多かったが、その際に私はコニーがブラウンと仲良くしている姿を見て「同性愛のカップル」と勘違いしてしまった。そんな仲良しな二人を見た私は「世の中が、良い方向へ変わってきているのかもしれない」と納得していた。

 そして『LINE TOWN』を見始めた私は、コニーが女の子だと気付いて衝撃を受けたのだった。なぜコニーの性別を誤解してしまったのか。それは恐らく私が、性別を感じさせないような姿をしたコニーのグッズばかり見かけていたからだと思う。しかしコニーについて調べてみると、私のような勘違いをしていた方々もいたようで安心した。

 そんなコニーの良き女友達が、猫のジェシカである。ジェシカはコニーの親友であり、憧れの存在とも言えるだろう。「私、ジェシカになりたい!」と思ったコニーが、ジェシカのファッションや仕草そして部屋のデザインを真似し始め、最終的には「あーあ。ジェシカみたいなキリッとした目が良いなぁ……プチ整形しちゃおっかな」と考えてしまうエピソードは忘れられない。どんどんエスカレートしていくコニーにジェシカだけではなく、私もドキドキさせられた。サリーさん(コニーたちのお姉さん的存在である、ひよこ。彼女もこれまたキュートなのだ)の「コニー、いい加減にしなさい! コニーはコニーのままで十分かわいいわ!」という台詞に私は深く頷いた。

 このように、コニーは何度もジェシカに迷惑をかけている。前述のストーカーのような行動の他、ジェシカが購入した新品のワンピースを台無しにしてしまったり、嘘を吐いたり、妬んだりなど本当にコニーは困ったちゃんだ。それでもジェシカは毎回コニーを許し、いつまでも友達でいてくれる器の大きい子である。

 しかし精神的にオトナで心の優しいジェシカも、負けず嫌いな面や怒りに満ちた顔を見せたりと、コニーのように感情を剥き出しにすることもあった。特にサリーさんとパイ作りで対決する回で、いつになく闘志満々のジェシカ(と、サリーさん)が見られたのは新鮮であった。おかげで、いつもガチャガチャしているコニーが大人しく感じられた。そういった点でも、なかなかレアな話だった。

 ヒロインの親友として、それに加えて憧れの美女として『LINE TOWN』で活躍していたジェシカ。オトナっぽく美しいビジュアルも、國立幸さんの声と演技も素晴らしかった。初恋の相手がジェシカだった……という視聴者もいたはずだ。

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