第2回 漫画『ねこへん~ねこと編集~』(しまだ)
数年前、某漫画情報サイトで私は衝撃的な絵を見てしまった。リアルタッチな猫がチンピラのような人間の顔に、蹴りを入れている図である。
それは『ねこへん~ねこと編集~』のキービジュアルだった。インパクトのあるイラストに釘付けとなってしまった私は、そのまま作品紹介の記事を読んだ。無料オンラインマガジン・ヤングエースUPで「猫がクソ編集を倒す」という斬新な設定の作品が始まると知った私。「この漫画、必ず読もう。読まないと絶対に後悔する」と思い、連載スタートを楽しみに待った。そして第1話を読んだ私は、すぐに作品のファンとなったのである。
連載開始前から私の心を鷲掴みにしたのは、ヒロインである茶子ちゃん(キジトラ)だった。茶子ちゃんが女の子と知った瞬間「猫ヒロイン……!」と心が踊った私。茶子ちゃんは人間の言葉を理解できる、ハイスペックな猫だ。一生懸命勉強して、人間と会話ができるようになったのである(修了証有)。
また、茶子ちゃんは相当な戦闘力を持っている。素手が強いのはもちろん、刃物や銃など、様々な武器を使いこなすのだ。
そんな茶子ちゃんが倒そうとしているのが、性悪編集者タナカだ。意地悪なタナカは、大の猫好きである。どれだけ茶子ちゃんに殴られようが、ナイフを向けられようが、体を燃やされようが、ずっとタナカは茶子ちゃんにデレデレだ。
個性的なキャラクターは、まだまだいる。茶子ちゃんの家族である漫画家スズキ、比較的常識人な編集者ワタナベ、頑張り屋さんだがマニアックな女性編集者ヤスダ、かわいい茶子ちゃんの仲間たちなどなど……。
作者・しまだ先生は「変な漫画」と仰っていたが、私はこの作品に出会えて嬉しい。猫に癒され、驚かされ、笑わされる……盛りだくさんなギャグ漫画だ。予定では全4話の連載だったらしいが、延長して全10話となり書籍化もされた。ちなみに、しまだ先生の自画像は猫ではなく、しろくまだ。これまたキュートである。
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