SS(ショートショート)あの二人は今
蒼井と赤井は教室の隅で大人しく過ごしていた。
少し前は後藤という男子生徒と一緒にバカ騒ぎをしていた二人だったが、その後ろ盾がなくなりすっかりと牙が抜かれてしまった。
後藤が橘と関りを持ってすぐ、彼は学校に登校しなくなってしまった。
彼が今何をしているのか、彼女たちでさえわからない。
蒼井と赤井は常に一緒に居るが、彼女たちは何か話すこともなくスマホをいじる。
二人の架け橋となった存在がいなくなったのだから当然かもしれない。
ついこの間はクラスの中心。
今は日陰者。
後藤たちと一緒になって悪態をついた結果、二人が孤立してしまったことは否めない。
それでも。彼女たちを見捨てない人間がいる。
彼の名は――。
「おい。お前ら修学旅行のプリントまだ提出してねぇだろ。早く書いて出せ。先生が怒ってんぞ」
蒼井と赤井に声をかける男子生徒。
彼はどこか不機嫌そうに目を細めながら二人に声をかけた。
「え? なんのこと?」
赤井が聞いた。
「修学旅行のやつだよ。どこに行くのかって書くプリントだっつーの。もしかして無くしたのか?」
「うーん。多分?」
「なにやってんだよ……俺が持ってくるからちゃんと今日中に書いて提出しろよな。ったくよ。なんで俺がこんな雑用を……」
そんなことを愚痴り頭をかきながら彼はどこかへ行ってしまった。
蒼井と赤井が目を合わせる。なんだか可笑しくなって笑ってしまった。
あんなことがあったのに、嫌な顔せず話しかける。
そんな橘に二人は救われるのだった。
明日以降は本編を更新予定です!
ご迷惑おかけしました…
これからもよろしくお願いします!
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