第35話 狂気の予感




 今日は、ダルい日曜日である。

 スマホがうるさくて起きてしまった。

 今日はアラームをかけていないのだが、とにかくバイブが止まらない。

 もう少し寝たかったまである。

 しかし、昨日が体育大会というのもあり、明日は休みである。


 そして俺がなんとかして打ち上げを回避しなければならないそんな重要な日だ。


 かといって特に何もすることはないけれど、それでも引きこもって勉強するほうが楽しい。


 よって俺は絶対に打ち上げにいかないしその可能性を排除しなければならないのである。


 勉強バンザイ。


 それにしてもやはり、日曜というのはいい。

 思う存分勉強ができる。

 そして思う存分惰眠を貪れる。


 既に午前11時半を回っている。

 どうやら半日以上寝ていたらしい。


 確か打ち上げは10時からだったから…

 思はぬところだったが、打ち上げを回避できたことがとても嬉しかった。


 スマホを見る。LIMEの通知が来てるらしい。あっまた鳴った。173件だと!?

 よくあるスタ爆ってやつか?

 にしても多いな。

 誰からって3人からだ。



______________

〈 Ayano

______________

《  ここからは未読メッセージ


🧸〘おはようございます。〙


🧸〘起きてますか?〙


🧸〘寝てると思うのであとから連絡します〙


🧸〘流石にもう起きてますよね?〙


🧸〘今日打ち上げですよ。わかってますか。〙


🧸〘もう連絡しないので勝手にして下さい。〙

______________


 星加先輩に呆れられたようだ。

 それはいいのだが、あとの二人のメッセージがおかしい。

 大事なことなので2回言うが、本当におかしい。


(にしてもくまのぬいぐるみか…ぷっw)


 やはりこの会長にくまのぬいぐるみってイメージが沸かず、同じことで2回も笑ってしまった。

 これは不可抗力である


 腹が減った。飯食いたいからリビングに行こう。いやその前にトイレだ。

 用を足すがてらLIMEチェックするか。


 さてと他の二人のを見るか。

 美咲は一番多くて怖いからあとからだな。

 となると、響也からだな。


______________

〈 響也

______________

《  ここからは未読メッセージ


🌆〘おはよう。今日の打ち上げもちろん来る

  よな?絶対来いよ!         〙


🌆〘いつも早いのに今日は遅いのか。まあで

  きるだけ早く来てな。待ってるからな。〙


🌆〘もう始まる時間になったよ。もしかして

  まだ寝てるのか?          〙


🌆〘 📞 不在着信 〙


🌆〘もしかして休む気じゃないだろうな?〙


🌆〘 📞 不在着信 〙


🌆〘 📞 不在着信 〙


🌆〘 📞 不在着信 〙


🌆〘 📞 不在着信 〙

           ︙

🌆〘 📞 不在着信 〙


______________


 まさに狂気である。そっと、トーク画面を閉じた。

 次はもっと多い。美咲のは嫌だな。見たくない。

 

______________

〈 みさき

______________

《  ここからは未読メッセージ


💮〘おはよ♪起きてる?〙


💮〘今日は打ち上げだよ?〙


💮〘寝てるの?〙


💮〘起きてよ〜〙


💮〘おーい〙


💮〘 📞 不在着信 〙


💮〘 📞 不在着信 〙


💮〘 📞 不在着信 〙


💮〘 📞 不在着信 〙

          ︙

💮〘 📞 不在着信 〙


______________


 怖っ。何これ。本当に怖すぎる。特に美咲さん。

 どんだけ電話してんの?狂ってんの?


 ふぅ。スッキリした。

 とにかく飯食いたい。


(食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、食いたい、おっと失礼。流石に気持ちが流行りすぎたようだ。)


{ピーンポーン


 インターホンが鳴った。

 父親が出る。

 何故か笑っていた。再婚でも考えてるのかな?っと考えていると聞き覚えのある声が聞こえてくる。


『ねぇ?どうしてLIME見てくれないの?』


「いや、今起きたばっかだし。」


「流石にそれは無理があるんじゃないか?」


「いや、今の俺パジャマじゃん。」


(まだ朝食ってないんだけど…腹減って仕方ないんだが。早くなにか食いたい。)


『ちょっ、話してる途中じゃん。動かないで!』


「え?無理。腹減って仕方ないから飯食わなきゃ。」


(何いってんの?飯最優先じゃんか。なぜそれがわからんというのだ!!あ、興奮し過ぎて言葉に出るとこだった。危ない、危ない、飯食いたい。)


「はいはい、言い訳はいいから。行くよ」


「飯を食わせろ!」


「うわっ!お前そんなキャラだった?力めっちゃ強いじゃん。もしかして本当に何も食ってない?」


『あはは〜そうみたいだね〜本当に寝てただけっぽいよ…』


「優。すまない。」


「飯!〜め〜!し〜!」


『キャラ壊れちゃってるよ。ゆう君って糖分足りないと性格変わるタイプ何だね…何か幼児退行してるよ…』


「飯!うまい!」

______________


「で?何だっけ?」


『えっとね、打ち上げ呼びに来たの。普通に学校でやってるから、行こっ?て話。』


 ここで行きたくないとか言っても強制的に連れて行かれるんだろうな。

 それなら素直に従ったほうがまだ扱いがマシか。

 打ち上げあることに気づいてないふりをして、謝ればいいか。


「あ、打ち上げあったんだった。やべぇアラームかけ忘れてた…すまん。」


『全然いいよ〜、ってことは行くってことでオッケー?』


「オッケーだ、というか元々は打ち上げ行くつもりだったしな。寝坊しちゃったけど…」


「まぁそんなこともたまにはあるさ。今度からは気を付けてな。」


「ああ。善処するよ。」


『それじゃあレッツゴー!』


「…せめて支度はさせてくれ。」


「了解だよ。」


『オッケー!待ってるね。あ、できるだけ早くしてよ?』


「わかったから」


 取り合えず、なんとかなった。

 ふぅ。でも行きたくないな〜

 打ち上げなんて絶対行きたくないな…

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