第2話 交流(集合地点へ移動中)

「凌空、俊太と勇太の手を引いてきてくれる。待ち合わせ時刻に間に合わないから、少し急ぐよ。」

僕は俊太と勇太の手を握って速足で陽子おばさんを追いかけた。2人とも手を握っていないとすぐにどこかへと言ってしまい、そこから動かなくなるので手を引いていかないといけない。そもそもこんなに慌ただしくなる予定はなかったんだけれどなぁ~。ちなみに待ち合わせ場所は最寄りの駅から電車で10分ほど移動した場所の近くにある国立公園らしい。国立公園は俊太と勇太の歩くペースに合わせて歩いても45分もあれば着く場所だ。なんでこうなった!

――

1時間前

「凌空、俊太、勇太行くよ。忘れ物無い?」

陽子おばさんが玄関で僕たちに向けて聞いてきた。

「「大丈夫!」」

コク

俊太くんと勇太は元気よく返事をした。僕も頷いて問題ないことを陽子おばさんに伝えた。

「それじゃあ、出発するよ。」

「「はーい!」」

陽子おばさんの掛け声に合わせて俊太と勇太が返事をして家を出た。ここまでは予定道理にだったのっだけれど、問題はここからだった。

「あ、はしご車だ!」

「はしご車!」

最寄りの駅へ向かう途中にある小さな消防署にはしご車が停まっていた。そして、普段見ることのないはしご車に吸い寄せられるように俊太と勇太が消防署へと入っていってしまった。

「こんにちは。」

俊太と勇太が近づくとはしご車の近くで作業をしていた消防士さんが話しかけてきた。

「「こんにちは。」」

「はしご車だ!カッコイイ!」

「なんであるの?」

と2人が消防士さんを質問攻めにし始めた。

「ああ、それはね…」

と消防士さんたちが丁寧に分かりやすく説明をしてくれた。なので、僕も陽子おばさんも説明を遮ってまで連れて行こうとはできず、そのまま説明が一通り終わるまでその場で立ち止まってしまった。その結果、現在最寄り駅を目指して走っている陽子おばさんを追いかけていた(すでに追い抜いた)俊太と勇太を陽子おばさんの持っていた手荷物を片手に追いかけている。ちなみに集合時間まで後5分ぐらいらしい。これは絶対に間に合わないなぁ~。

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義妹は世話焼き カエル @azumahikigaeru

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