第18話

なんでそんなに驚いてるんだろう、、、と私は自分の手を見る。


そこには人間の手がある。

なんも問題ないような気がする。


どうしてそんな驚いてるんだろう?ほんとに

、、、、、ってえ?


もう一度自分の手を見る。

そこにはさっき見た"人間"の手がある。


え、え、え、、、、。

「えーーーーーーー!?!?!?」


つい声に出して驚いてしまった。

って声!?


めっちゃしっかり言葉が出たんですけど!?


ガレスが素早く起き上がるとベッドを出て剣を取る。


あの顔は警戒している顔だ。


「ちょっちょっちょっと待ってよ!ガレス!私だよ!」


私は必死にガレスに訴えるが帰ってきたのは怪訝な表情。


その時ガレスの視線が固定される。

私の首を見ているようだ。


いや、正しくは私の首にある首輪もといネックレスを見ていた。


「、、、、アベリア?アベリアなのか?」


今度は驚いた表情をしてそう言った。

それに私は力強く頷く。


カランという音が響く。

ガレスの手から剣が落ちたのだ。


「信じられない、、、。」


そうボソリと今にも消えそうな声で言うガレス。


そう言うがねガレス君。

言っとくが、私も信じられん。


あ、、、もしかして、、、役に立つスキルってこの事!?


あーーーーなる、、ほど、、、、。

それは納得、、、納得したけど、なんて寝起きドッキリだよ、、、。


ガレスが恐る恐ると近づいてくるとそっと髪に触れる。


「、、、この感触はリアの毛と一緒だ。」


そう言うと今度は頬に手を当てるとじっと私の目を見る。


そ、そんなに見られるとて、照れる、、、。


「あぁ、お前はリアなんだな、、、。」


そう言って微笑む。(と言っても少し目が細くなるだけなので、他の人には分かりません。)


それを見てドキリと私の胸が高鳴る。

ドキドキと胸が鳴り、顔に熱が集まる。


あぁ、絶対に顔赤くなってるよね。

でも、なんだろ、、、悪い気がしないな。


ガレスがスっと頬から手を離す。

一二歩離れるとサッと顔を背ける。


「あーー、、、とりあえず俺の服を着とけ。」


そう言って1セット服を取り出して私の方に投げる。


少し疑問に思った私は自分の体を見る。

全裸だった。


一気に熱くなる顔。

多分今の私は顔が真っ赤だろう。


そそくさとガレスのズボンとシャツを着る。

両方とも私にはちょっと大きくて、ズボンなんかはズルっと下がってしまう。


シャツだけでも充分隠せるから、と思ってズボンを脱ごうとしたらガレスに紐で縛られた。


「、、、とりあえず服買いに行くか。」


あ、そうだよね。

いつまでもこんな格好じゃいられないしね。


「うん!わかった!」


あーー喋れるっていいなぁ!

最早感動するよぉ。


「じゃあ、行くか。」


出かける準備を整えたガレスが私に向かってそう言う。


「うん!」


そう応えて、ガレスの後ろを付いていく。

宿屋の人に3度見されつつも、宿屋を出ると真っ直ぐ婦人服が売られている店に向かう。


「好きな服を好きなだけ買え。」


なんと太っ腹なことを言う!?

え、そんなお金持ってるの?


「う、ううん!大丈夫だよ!予備も合わせて4着くらいで!」


あ、でも!

部屋着、外着で分けたいし、森とか今後も行くだろうから動きやすくて汚れてもいいやつも買いたい!


むむむむっ!と私が悩んでいるとガレスが歩む足を止めて私を見る。


「リア用に貯金してある。色々買いたくて。遠慮はいらん。」


ほわっ!

そ、それって!それってぇ!!


そ、そんなの狡いよぉ、、、。

そんなこと言われたら断れないじゃん。


「わかった!そういうことならお言葉に甘えるね!」


そう言うとガレスは嬉しそうに笑ってまた歩き出した。


服屋に着くとガレスが立ち止まる。

店を見てから私を見る。


そして息を吐くと決心したような顔で扉を開ける。


?なんだったんだろう?


ガレスが店の中に入ると店の中がシーーンとした。


何処からか子供の泣き声まで聞こえてくるような?










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