第16話

あの日私とガレスはいつもと同じ日を辿っていた。


2人でいればどんな敵も倒せる。

そんな気がしてた。


その油断からかガレスに危険が迫った。

私はとっさに庇った。


その行動に後悔なんてしてないし、同じ日を繰り返すことになったとしても同じ行動をとる。


血がドクドクと流れる感覚とそれと共に意識も遠くに流れるような感覚がした。


ガレスが私の名前を何度も呼んでいる声がする。

ガレスを安心させてあげたいのに、、、目を開くことすら出来そうにもない。


ごめんね、、、。

ごめんねガレス、、、。


なんだか、、、フワフワしてて気持ちがいい。

身体が浮いてるみたい。


『あれ?どこだろ?ここ』


気付けば白くて広いどこかにいた。

キョロキョロと辺りを見渡していると少し離れたとこに光る玉が浮いているのを見つけた。


その玉はゆっくりとだが、確実に私に近付いて来ていた。


ピカッと光る。

あまりの輝きに目が眩む。

咄嗟に目をつぶる。


スーッと徐々に光が収まっていく。

恐る恐る目を開けてみる。


さっきまで光の玉があった場所に人が立っていた。

もうなんて言ったら良いのか分からないけど、ものすっごく美人。


あの誰もが惚れる海賊女帝ハン〇ックでも負けるのではないかというくらいの美人。


ボンキュッボンのナイスバディにそのシルエットにあう、マーメイドドレスのような白い服。


太陽の輝きにも勝る金色の髪。

大地の青さを思わせる瞳。


そんな美人が今私に対して綺麗な土下座を決めてる。


ん?

あーー、、、おけー。

大丈夫よー、、、、ってんな訳あるかー!


全っ然理解できないわっ!!


「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。」


あ、美しい声。

その声は正に天使の如く。


何故か心にまで響き、高くなく低くないその声は心地良さまで覚える、、、、ってそんな事言ってる場合か!


「混乱するのも無理ありません。どうか私の説明を聞いてくださいませんか?」


はぁ、、、まぁ、状況が全然読めないから説明してくれるのはありがたいかな?


「ではまず、あなたは今の姿、、、つまりは狐に転生する予定ではなかったのです。」


は???、、、へ????

え、ちょ、どゆこと?

私は元々狐になる予定ではなかったの?


「はい、そうなんです。ですがなんの間違いか、あなたの魂を狐に入れてしまったのです。」


なんの間違いかってことはなにが原因か分かってない感じかな?


「はい。そうなんです。それについては大変申し訳なく、、、。」


、、、てかさっきからなんか思ったことが伝わってる気がするんですけど?


「はい。私は神なので人間の思考を読むことなど造作もないことなのです。」


はぁ、、、なんか、、、The神!って感じするねぇ、、、。

あ、神なのか、、、、。


待てよ、、、間違えて私を狐に入れてしまったってことは、、、。

私がここに呼ばれたのは、、、、もしかして、、、。


「あ、その心配は要りませんよ?もう既にあなたの魂を抜き取るのは不可能になってますから。」


あ、、、なんだ、、、。

そうだったんだ、、、良かった、、、、。


あれ?じゃあ、私はなんでここに?


「実はあなたの魂に身体が拒否反応を起こしていたようで、、、進化できるレベルに達しているのに進化できておらず、このままですと少し危険なのです。」


え!?

あ、そういえば、レベル10/10で止まってたなぁ、、、。


体も成長してないみたいだったし、どうしようと思っていたんだった、、、。


「はい。その不具合を直して、これからは順調に進化できるようにし、謝罪すべくあなたをここに呼びました。」


な〜るほど。

謝罪は受けたし、、、これからその不具合?ってのを直してくれるのかな?


「それが、、、実は1つ問題がありまして、、、。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る