第13話

それに対してため息1つで返す受付嬢。


「ここは冒険者ギルドです。その子はもう貴方のものですから、詳しくは聞きません。」


なんか、、、よく分からないけど私いけない事したかも?


「いや、大丈夫だ。」


そう言って私の頭を撫でるガレス。


「ですが、気をつけてくださいよ?」


少し言葉を鋭くしてそう言う受付嬢。


「あぁ、分かってる。また来る。」


軽く頷くと私を抱っこしてギルドを出る。

そして、宿に帰る。


そして、ご飯を食べている時だった。


「リアは何も悪いことしてない。やりたい事をやるといい。だが、危ないことはするな。」


ガレスは食事をする手を止めず、私をチラリとも見ずにそう私に言ってきた。


でも、、、そうしたらガレスに迷惑になるんじゃ、、、。


そう思った私をいつの間にか傍にいたガレスに撫でられる。


「そんなのは迷惑になんかならない。」


いつもは淡々とした声で喋るガレスがなんだか柔らかくて暖かい声をしてそう言った。


撫でられてるからどんな顔をしているのか分からなかった。

だけど、きっと優しい顔をしていたと思う。


だから、私はその優しさに甘えることにした。

ガレスがそう言ってくれたんだから。


でも少し考えなければと同時に思った、、、。

その夜は少し遅くまで起きてしまった。


だから、いつもより少し遅めに起きた。

ガレスが先に朝ご飯を食べていた。


私も急いで食べる。

もう出るはずだからと、、、ところがガレスは椅子に座り剣をしばらく見つめると手入れをし始めた。


なんか欠けてたりしたんだろうか?

まぁ、まだ時間がありそう良かった。


そう思った私はご飯を食べるペースを少し落とした。


そして、ご飯を食べ終わりガレスを見る。

すると同時に剣を仕舞う。


「もう良いのか?」


そう言いながらガレスが腰を上げる。

その言動で私は察した。


きっとガレスは私が寝坊した罪悪感がないように、急がせないようにとわざと剣の手入れをしていたのだと。


ほんとに、、、ほんとにこの人はなんて優しい人なんだろうか。

と私は改めて感動するのだった。


少し足に身を寄せスリスリとするとガレスがゆっくりと抱っこをして撫でてくれた。


そして、ゆっくりと宿を出た。

今日もギルドに寄ってから、、、と思ったが、今日は違うようだ。


ギルドには寄らず、真っ直ぐ門を目指している。


「今回はギルドに寄る必要はない。」


真っ直ぐ前を向きながらガレスは私にそう告げる。


「今日は魔物の討伐をする。」


魔物、、、それは異世界系の作品ならば絶対出てくるものだ。


それは獣のような姿をしていたり、妖魔のような姿をしていたりと様々な姿をしている。


そういえば私は魔物を見たことがあるかな?

いや、知らなかっただけであるのかもしれないなぁ、、、。


「だから今日は自分でずっと歩くことになる。抱えていたら戦いにくいからな。」


これまた私をチラリとも見ないでガレスはそう言った。


「疲れたら言え。休憩しよう。そして、安心しろ。リアは俺が守る。」


少し眉を寄せてそう言うガレスは元々怖めな顔をしているけど、今はマジギレした人みたいな顔になっていた。


通り行く人が皆ギョッとした顔をして少し遠巻きにしながら歩いていく。


その気持ちを分かってしまった、、、。

そんな馬鹿なことを考えているとあっという間に門に着いた。


門番に挨拶をして門を出る。

昨日と同じ景色だけど、今日はちょっと曇り気味で森が影っていた。


門に出て早々私はそっと降ろされた。

少し乱暴にワシャワシャと撫でるとガレスは前を向いて歩き出す。


その後ろを追うように少し駆け足で私も歩く。

ガレスは体が大きいから歩幅も大きく、小さい私は少し駆け足でないと追いつけなかった。


そんな私をチラリと見るガレス。

そして、少し歩くスピードを緩めてくれた。


ガレスにとってはとても遅いはずなのに、気づいてくれただけでなく、怒らずに合わせてくれるところはガレスらしい。







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