第9話

暗く、静寂が続くある部屋での事。

1匹の動物が1人の寝ている男性に近付いて行く影が浮かぶ。


その動物は足音が少しでも出ないようにか、忍び足で進んでいく。


そして、その影は男性が寝ているベッドに辿り着く。


そして、、、その影はベッドに、、、ベッドっにっ!

ふん!おりゃ!とぉ!


く、くそぉ、、、。

このベッド、、、意外と高いわね、、、。

やるじゃない(?)


ジャンプをしたせいでぜぇぜえとする息を整えながら、どうベッドに登ろうか考えるが、どうやっても届かない気がする。


仕方ないか、、、。


「キュゥーン、、、。キューーーン。」


そう何度か鳴くと布団が擦れる音がする。

そして、のそっとガレスが起き上がる。


ガレスは眠そうな目を私に向けた。


「、、、どうした。 」


そうまだハッキリとしない声で私に言う。


「キュン。キューン。」


そう鳴いてベッドの足をカリカリと足でやる。


「、、、登りたいのか。」


そう言って私を片手で持ち上げるとベッドの上に乗せる。


「どうした。これで良いのか。」


私の目を見ながらそう訊ねてくるガレス。

それに対して尻尾を振って応え、少し開いてる布団の隙間に潜り込む。


それを見たガレスも身体を横にし、布団を肩までかける。

私はそんなガレスのお腹にピタッと身体をくっつけて寝る。


そして、2人で仲良く一緒に寝た。


目が覚めるともうガレスは起きていた。

そして着替えているが、昨日とは違い、私服っぽいものではなく、冒険者のような服を着ている。


「ん。起きたか。今日は仕事をしに行く。」


仕事?

そういえば、仕事って何してんだろう?

服的に冒険者なのかな?


そう思いながら、ベッドから降りる。

降りるのは1人で降りられるようだ。


そして、ガレスの方に歩いて足元でお座りをする。


「今日は留守番だ。リアを連れていく訳にはいかない。」


そう言って私の頭をわしわしと撫でる。


そう、、、だよね、、、、。

私、邪魔、、、だもん、ね、、、、、。


「俺は冒険者だ。危険な所にも行く。リアにそんな目にあってほしくない。分かってくれ。」


私があまりにも落ち込むからか、少し慌てたようにそう言う。

そして、ガレスはやはり冒険者のようだ。


うん、分かってるよ!

大丈夫!お留守番頑張るね!


その思いが伝わるように尻尾を振りながら「キャン!」と元気良く返事をした。


「よし、良い子だ。」


そう言ってまた私の頭を撫でる。

少し乱暴に撫でるが、その手からガレスの優しさを感じた。


そして、撫で終わったガレスは扉を開けて部屋から出ていく。


ガレスが出た事で部屋の中が一気に静かになる。

まるで耳鳴りがしそうな程に。


大丈夫。

ガレスは帰ってくるもん。

それまで良い子に待ってれば、絶対褒めてくれるもん。


そう思ってガレスのベッドには上がれない為、私のベッドに入る。


だけど、眠くはないし、寝られる気もしない。

そこで今までの事を思い返してみる。


この数日の間に色んなことがあり過ぎて小説が書けそうだね。(正解)


私なら「狐に転生してしまった」とか「狐に転生したようです」とかにするかも。(正解)


あ、小説って言えば、ステータスとかあるのかな?


作者、そういうの面倒くさがりそうだけど、、、。

ん?作者って誰の事言ってんだ?


とりあえず、やってみるか。

ステータス!!


ーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:アベリア

種族:白狐

Lv:1


HP:20

MP:40


STR:10

DEF:20

MAT:20

MDF:20

AGI:20


【スキル】

・氷属性Lv1・精霊属性Lv2

・気配察知 Lv1 ・隠密Lv1

・言語理解


【加護】

・創造神・魔神・覇神・精霊神


【称号】

・精霊の子 ・異世界から来し者

ーーーーーーーーーーーーーーーー


おう、、、意外としっかりしてた、、、。





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