第23章・望ましくない約束

青みがかったカタツムリのピアスを2つ持つ赤髪の男性が、思いがけず、しかし待ちに待ったミーティングに参加した。大きな扉から入って、到着まで一番時間がかかったが、大興奮でスタートした:

「引き合わせたのなら…その意味は一つしかない!」彼は微笑んだ。

右手には、ソファに腰掛けた白い肌の女性がいた。緑、黄、赤の3色のグラデーションがかかった糸状の独特な光輪を持っていた。

金髪のショートヘアで前髪が目を覆っていた。下半分から左にかけて斜めにカットされたオレンジの半袖Tシャツと、その下に露出部分に星のついた青いTシャツを着ていた。グレーのプリントの入った赤いショートジーンズで、ギリシャの雰囲気を出している。そして裸足であった。

右手で黄色い糸の端を掴み、口の近くに引き込むと、黒い線の入った黄土色の円錐形のメガホンが出現した:

「ペロットまだ来ない」と、彼の耳を壊したいように言葉を発した。

彼は煩わしさから耳を塞いだ。そのままで、部屋のシャンデリアを指差して、まるでライバル視しているかのように、嘲るように尋ねた:

「目が見えないのか?彼女の存在ずら気づかなかったなら、どうやって対決するつもりだ?」

ペロットは肌の柔らかいブルネットのティーンエイジャーで、体より長い黒っぽい髪と頭の両側にある2本のロックが羽のように落ちていて、ランプ全体に絡みついていた。ホラー映画に出てきそうな顔をしていた。

目はオレンジ色で瞳孔は網目状、服は着ておらず、髪で体を覆われていた。

その傍らには二羽の四翼のカラスが立っていた。青いカラスはランプに止まり、金色のカラスは右肩に止まっていた。

目を伏せて、耳から耳へと冷ややかな笑みを浮かべながら、その場にいる人々を眺めていた。カラスたちも同じように、3人はいつも違う誰かを見ていた。

「試したんだよ、バカ」 自分だけ気づかなかったことに苛立ちながら、彼女は弁解した。

「その癖のある躁病をどうにかしろ、反吐が出る」部屋の反対側で腕を組んで立ち、壁に足をかけて寄りかかっていた少年が忠告した。

頭のてっぺんからつま先まで、グレーとイエローのリボンをきっちり巻いている。その隣で壁に寄りかかっているのは、目にも止まらぬ奇妙な錆びた一本の刀であった。

ペロットとカラスたちは、何も言わず、表情も変えずに彼を見つめた。

「そんな目で見るな!誰かが言わなきゃいけなかったんだろう!」少年は落ち着かない様子で言った。

もう一人の女性も加わり、事態を収拾しようとした。

髪は茶色で黒っぽい部分があり、左の髪は胸の上にある。目は美しいオレンジ色で、瞳孔は輪の中に輪がある。猫のようなひげに人間の耳、黒い尾に白い輪があり、タヌキに似ていた。

庭師の服を着ていた。膝丈のノースリーブ、ストラップレスのビリジアンの胸当てには、真ん中に白い花びらが描かれた黄色の花冠があり、制服の端には白っぽいラインが飾られている。半袖のフリルのついた赤いTシャツ、緑がかった手袋、土色のズボン、苔むしたガーデニングブーツがあった。

前ポケットには茶色の携帯、サクランボのキーホルダー、イヤリング、髪留め、背中には大きな深紅のリボン、左肩から右腹部にかけて茶色のリボンをつけ、その後ろに緑がかったペザントハットを持ち、ベルトには斧のおもちゃをつけていた:

「…かわいそうに…そんなこと言わないで、彼女と同じような習慣があるでしょう…」

女神は冷静に飲み物のストローを一口飲んで、こう告げた:

「そのわくわくはよく分かる。しかし、勘違いしている。そいつもはや存在しない、君らは解散してもいい」

「何!?君らって?自分の立場を忘れているのか!?何を企んでいるんだ!?存在しなくなるなんてありえない!どうしてそんなことを軽々しく言えるんだ?」男は怒って答え、腕で拒否のジェスチャーをした。

「落ち着け、フェルズ。説明しろ」少年は壁際で平静を装いながら、右手の掌で説明を求めた。

「落ち着けって!?」と、ショックで繰り返した。

「見つけたが、以前だった彼女とは違う。間違いなく変わった。何も覚えていない。言い方を変えれば、彼女の魂は型にはまったもので、直せない」女神は説明した。

「『変わったから、彼女を許せる』そう言っているの!?」フェルズは怒りを抑えきれなかった。

「100%もう心配する必要はないのか?元に戻らないという保証はあるか?記憶喪失だからといって、罪を忘れ、生かすことが正しいのか? 記憶喪失だからといって、殺人犯を放置することが正しいのか?ねえ…状況が分かっているのか?」青年は、だんだん複雑な質問を女神に投げかけ続けた。

「見過ごして、何事もなかったかのように日々を過ごすつもりか?一番被害を受けるのは、お前だろう!!どうしたんだ!?」怒りは増すばかりで、悔しい思いをした。

「フェルズ、メガ、ペロット、スラウ、カコミ…そして、あたし。もう終わった。受け入れて、前に進むしかない」

「受け入れて、神々のごっこを続けるか!?おい!受けるつもりなのか? おい!メガ!?」と、フェルズは他のメンバーに問いかけた。

疲れ果てたメガは天井を見上げながら答えた:

「他にどうすればいいんだ?彼女は間違っているとでも言うのか?今まで僕たちのために尽くしてくれたにかかわらず?…」

その言葉に打たれ、彼は引き下がることなくトーンを下げた:

「だが、まだ存在しているんだ。一応に消えましょうよ!」と提案し、説得を試みた。

「本当にやるしかないの?…」動物の女の子は、恥ずかしそうに、ハッピーエンドを願いながら、指をいじっていた。

「怖え…誰にも騙さらないぞ、カコミ。腹切りしたい欲望を隠せない…」と、メガホンを持った女性は皮肉な笑みを浮かべながら言った。

カコミは、どこを見ればいいのかわからず、緊張してあたりを見回した:

「ちー!…違うよ、メガ!…だ・誰にも傷つけたくないよ…本当だよ…」とはっきり言ったが、言い訳するように、皆は彼女を無視した。

女神はため息をついた。彼らを説得しなければならない。蓄積された憎しみを軽くするのは難しいことは承知で、冷静に話し合いたいと思った:

「彼女がそうであったようになりたいか?もうない問題にこどわるのは、問題は尽きない。そうなったとき、誰がその結果を処理するの?ベビーシッターを続けてほしいか?それで十分だっただろう」

「あの時の約束と違うじゃないか!お前が出来ないなら、俺たちがやる!」フェルズが怒ったように叫ぶと、他の者は彼の発言に沈黙した。

メガは相変わらず疲れた姿勢で、天井を見つめていた。ペロットは無理のない程度に笑いを緩めた。スラウは左手で剣を持ち、もう片方の手の人差し指の先で、何度も何度も無言で剣を打ちました。カコミは尻尾を下げて見送った。

周囲の反応に裏切られたような気がして、部屋を出て行った。

「止めなくて大丈夫か?…」カコミは心配そうに尋ねた。

「克服するだろう…」とメガは答えた。立場を変えずに、夢中で同化していた。

フェルズの考えに賛同し、右手に剣を逆手に取って行進するスラウが言及した:

「始めたことを終わらせられないなら、なぜ始めたの?がっかりね」

部屋には、メガ、カコミ、ペロット、女神の4人の少女が残っていた。

沈黙の中、カコミは視線を交わしたが、女神がそれを遮った:

「彼らと納得するの?無実の人を罰することになる。許せない…」

「ペロットもカコミも同意見だろうね」は、メガをコメントした。「しかし、僕たちにとって簡単じゃないね。なぜ僕はまだここにいることでもわからない…何でだろうね?…お世話になっているけど、困ったな…」女性たちのようにリラックスしていいのか、それとも男子と同じように緊張していいのかわからず、躊躇していた。

「あの日以来、ずっと困っているのはあたしけど…」女神は顔を伏せて、切なげに言った。

カラスがカアカアと鳴き、くちばしでペロットの髪を刈り取っていた。カコミは驚いてよろめき、しゃがみこんで両手で頭をかばった。

仕事を終えると、カラスたちは優雅に両肩に降り立った。まるで別人のようで、カットは完璧ではなかったが、フレッシュでエレガントなタッチを保ち、顔も目も素直でまっすぐだった:

「未来永劫にわたって、わらわ心も魂からもフィリアを信じる」ペロットは、忠実に胸に手を当てていた。「わらわいつもあれさまを尊敬するから」

その声は、新しい姿と同じように、はきはきとしたものであった。

女神はゲラゲラ笑って、最後は涙目になった:

「ごめん…その名前、久しぶりに聞いてないな…ペロットが思うほど、あたしは良くないわ…彼女の純真さにもかかわらず、あたしの腹いせで彼女を苦しめてしまった…」

「フィリアの名前だから、したがって決して忘れないよ。そんなことない、わらわたちここに居るからであろう」ペロットは思い出した。

カコミは、いつ会話に入っていいのかわからず、二人の間に割って入った:

「えっと…約束とどうする?」

「なんの約束?」と、フィリアが尋ねた。彼女と一緒にやった覚えはなかった。

「フェルズとした約束。忘れていた?」

「ぁ…忘れてないよ…」と首を横に振った。「唯一守りたくない約束です。特にスラウは頭が痛くなるでしょう…」と、憂いを帯びたため息で締めくくった。

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