本当そうだよな

いつかは戻れると思ってたんだ

僕がやらかしたこと

悔やんでも悔やみきれなかったこと

忘れたくなかったあの時間に


歳重ねて流れてく景色を眺めて

新しい人と出会い新しい言葉に出会い

そうした長旅の果てに思い知ったんだ

もう二度と戻ることなんか出来ないと


当たり前の事なんだろう

幼い頭ながらどこかで分かってもいた

でもそれを認めたくなかったんだ

変われてないのは自分だけなんだってこと


いつか籠ってたあの古びた家を見に行ったんだ

誰かを救えると思っていた

暗闇に流れ星のように落っこちてきた誰かを

もう一度救うための拠点だったあの


気付けばもうすっかり廃墟になってたよ

草花が生い茂って蔦が巻いて

そうして知ったんだ

僕はもうあの場所にいなかったってことに


昔ほど不幸を嘆かなくなった

「こんなもんか」とどこか諦めて

あの時ほど死にたくもなくなった

死にたすぎて死ぬ理由が見つからなくなったから


それが良い事なんか悪い事なんかは分からない

でももうあの場所には戻ってやるもんかと思う

思い出したくないことばっかだもんな

ひと握りの美しい思い出もあるけれど


旅立つ奴は何も言わない

誰かが言ってた「辞める奴は何も言わない」

本当そうだよな なら僕の旅立ちはまだだな

って笑ってる時にはもうあの家とは離れていた


本当そうだよな

本当そうだよな

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