起結の詩

まだ朝にもなれてない羽田を見つめて

僕が創作に夢中だった日々を想う

本がどれくらい売れるかとか

今回書いた本への自信だったりとか


あの頃僕は夢中だった

創作への苦しみ痛みも携えて

それでも僕を突き動かしたのは誰かの笑顔で

そして何より僕自身が出来たことに満足して


そういう日々から離れてもうどれくらい経った

今や言葉も紡げない名も無き人で

もしくはたらればを繰り返す過ぎた人で

それでいいのかとこの夜が尋ねてくる


それでいいかとどこかで諦めてた

でも過ぎ行く景色を眺めていて思い出したよ

いずれにしてもやらねばならない

それなら今が始める時なんじゃないか


徐々に紺を埋め尽くす橙のように

幾度となく訪れる夜がまた明けようとしている

あの時感じたあの興奮と夜明けを迎えたいから

もう誰も待っちゃいないけど


成れない僕が描ける物語をまた書くのだ

そしてあの時の僕を超えるのだ

そう言い張る気力はまだあるか三流脚本家よ

これをそんな日々への起結の詩とする


負けてたまるか

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