第2話 「門」と「扉」
※※※
俺ーー速水真は、ひとまず家に帰ることにした。
「まずは今後の進路を決めないとな…」
これからのことを考えると頭が痛くなる。両親は仕事が忙しく家にあまりいないが、今日は受験結果を聞くため、早く帰ると言っていた。
父は一緒に今後のことを考えてくれるだろうが、母は大激怒するだろう。こんなことを思う状況ではないかもしれないが、かなり面倒そうだ…。
気を重くしながら、公園の出口に向かっていると、いきなり目の前が歪み始めた。
「な、なんだ!?」
それは空気と空気が反発し合うかのような、生まれて初めて見る光景だった。
ヴヴヴゥン……!!
低く大きな音を上げながら、数秒前まで何もなかった目の前に、大きさ1メートル前後の「門扉」が出現した。
「これは…門扉か!」
「門扉」を発見した者は、その地域の行政に知らせる義務が発生する。その後、国の保護化に置かれ「国際狩者協会」により等級が決定される。
「門扉」の等級は危険度を表しており、7等から1等まで存在する。7等は狩者になったばかりの人でも攻略が可能だが、6等になると5人規模の攻略隊が必要になるほど、危険度が上昇する。
また、門扉は大きさに比例して危険度が上がっていく。3等で10メートルを超えるそうだ。
しかし、「門扉崩壊」は7等門扉ほど起こりやすく、3等からの上位門扉は、これまでに2回ほどしか崩壊を起こしていない。
上位等級の門扉は、市民にとって危険性の無いものとされているのだ。
目の前の「門扉」はとても小さく、危険度はとても低いだろう…。
「……」
俺は好奇心が溢れ、「門扉」の中に入ってしまった。
[対象を確認 「門」から先の世界を消去 「扉」から先の世界を構築 …完了しました]
[システムに従い「扉」を閉鎖します …完了しました]
[対象に???スキル【扉の声】を与えます …完了しました]
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