第4話
「練習して得られるものには限度がある。
天性の感覚ってのは、努力では超えられない。
残酷だが、それが現実だ。」
「......馬鹿じゃねーの」
誰よりも現実主義者のくせに、
なんとも夢みたいな台詞を吐くんだから呆れる。
「あのじいさんの頭にも、お前の音が残ってたんだろう。俺と同じだよ。」
それに相変わらず
オトコを口説くのが上手い。
こういうのをこの世では、ヒトタラシというはずだ。
「それとも何だ、まさかその才能をカスみたいな安いプロダクションに売り飛ばす気じゃないだろうな。」
煙草を吸いたそうな目が、俺を一瞥した。
「......さあね、だとしても俺の自由でしょ」
「制作がしたいなら俺の会社でいくらでもやらせてやる。何ならデビューするか?」
「はは、冗談よしてよ、」
父さん
と言いかけた。
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