てるてる坊主


雨が降ると、近所の廃屋に

てるてる坊主が出る。


そいつは170cmもある大柄で、

頭の先から足先までを白いシーツで覆い隠していて、首の辺りを電気コードらしき黒い紐で結び止めている。


雨の日には廃屋の周りを裸足でうろうろとして、晴れるといなくなるのだ。


ある日、近所の高校に通う男子不良生徒が、

そいつのシーツを引っ張った。


その瞬間、はらっとほどけて

地面には大きな白い布と黒い紐だけが残された。


彼はその日以来、発狂してしまって

別の町に引っ越してからというものの、

行方不明である。

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