百合子の手紙


中古の一戸建てを購入したA夫妻。


しばらくしてから玄関のドアに

『もう引っ越しましたので

　手紙は送ってこないでください

　百合子さん』

という震えた字で書かれた

紙が貼られるようになった。


無視をしていた彼等だがある日突然

夜逃げのように引っ越した。


理由を聞くとこう答えた。


「だって、内側に貼られるようになったから。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る