迷い子?

 2001年、紫陽花が咲いている頃。

 うちに迷い子?が来た。


 家の前で鳴いてたかと思うと、入ってきた。

 人懐っこいのでどこの子だと近所中聞いてみたが、どこも知らないと言う。

 とにかく出ていきなと追い出しても入ってくる。

 戸を絞めたら二階の窓から入ってきやがった。

 凄く必死だった。

 それで、彼女がいいならとなった。


 彼女も最初はフーッと威嚇してたが、ものすごく馴れ馴れしく遊んでとばかりに彼女に擦り寄るもんだから、最後は根負けしたのかされるがままになった。


 こうしてこの子もうちの子になった。


 この子も雌で、尻尾が先っぽまん丸かぎしっぽ。

 彼女の子供達も半数がそうだったから、もしかしてこの子は何代か後の子孫かなどとボケた事思ったりもした。

 それはどうなのかもう分からないが、この子はアメリカンショートという品種ではないかとなった。

 そんな猫が野良でいるか? やっぱ捨てられたのか?

 それももう分からない。


 その後、あの子は彼女によくべったりくっついてた。

 もしかするとお母さんかおばあちゃんと思って甘えてたのかな。


 いつだったか彼女とあの子が一緒に外に出た時、道路を見ているあの子の背中叩いて危ないよとしている彼女を見て、なんか目が潤んだ。

 

 そして、あの子が来て一年近くになった頃……。

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