彼女はずっと、そこにいた。

 その後は彼女とその息子が、たまーにやって来る父親だろう白猫がいる毎日。

 この頃は僕も中学生になっていて、あんまり構ってないというか彼女が寄り付いてくれなかった。

 部活で汗臭かったからかも……。


 その頃に息子猫は発情期になった。

 当時は知らなかったが、雄猫は個人差あるだろうが家に居つかないのだな。


 彼は出ていった。

 すぐ帰ってくるかなと思っていたが……探したが見当たらなかった。

 

 そして白猫も同じ頃から来なくなった。

 彼女は一人になった。

 


 そこからは毎日誰かの布団に入って寝てたり、散歩して帰ってきたり、魚あげたらあっという間に食べたり。

 

 ネズミも取ってたが、ある時取ったネズミを母の枕元に置いて怒られた。

 本人は褒めてもらうつもりだったんだろけど、それで拗ねてしまって以降ずっとネズミ取らなくなった。

 天井裏走る音しても知らん顔。

 まあ、しょうがないか……。



 僕が高校、就職と歳を重ねても彼女はそこにいた。

 

 二十代の頃は正直精神的に参っていた。

 なんでかはここでは書かないが、最悪の事が頭を過ぎった事もあった。


 けどいつだったかしんどくて寝っ転がってた時、彼女が胸に乗っかってくれて、よしよしとするようにしてくれたこと。

 最初に書いた長期出張から帰ってきた時に飛びついてくれたこと。

 そうでなくても、ずっとそこにいてくれたこと。


 ほんとありがとね。

 少しは軽くなってたよ。

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