彼女との出会い

 彼女との出会いは、小学生の夏休みの頃。

 校区外? 何それ美味しいの?

 という感じで友達何人かと遠方の公園に遊びに行った時だった。


 リーダー格の友達が大きな木の下に何かを見つけた。

 それは何匹もの子猫達だった。

 捨てられていたのかどうか分からんが、親らしき猫はいなかった。

 それでどうするかとなって、僕ともう一人の友達が一人ずつ、後はリーダー格の友達が貰い手見つける事になった。

 

 真っ黒な彼女を抱いて連れて帰ったはいいが、やっぱすぐにいいよとはいかなかった。

 けどなんとかなった。

 うちは古くてネズミ出るから取ってくれるかもって言ったのもあった、と当時は思ってたがそれは違ったかとかなり後で思った。

 

 こうして彼女はうちに住む事になった。


 最初から懐いてくれた訳じゃないけど、気がついたら懐いてくれてた。

 あちこちウロウロしたり、かつお節まぶしたごはん食べたり、なぜか海苔が大好物でクレクレしたり。

 箱のベッド用意したが、誰かの布団に入るようになった。

 ただトイレだけはなかなか覚えてくれなかった……。


 後で母に聞いたら、大昔母の実家にいた猫とよく似ていたそうだ。

 尻尾が途中で丸くなっている、例えるならちょんまげかな?

 これも後で調べたら「かぎしっぽ」というものだったがそれも同じだったそうだ。

 だからもしかするとその猫の子孫かなんて思ったりもした。


 猫って一年くらいであっという間に大きくなる。

 気がついたらもう結構な大きさになっていた。


 そして……。

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