第10話「わたし達の世界、既に解なし。」

聞く限り、人類最後の未来さんが18才になったらこの世を去る、という…。

地球人類全員がアストラルプレーンに行くって…

それって、どういう事なんですか…??


未来「地球はだめなのよ。見れば解ると思うけど。

   地上の殆どは水没したりで生態系はおかしくなって。

   人類の復興は、しようがないくらいに世界は壊れてしまったし。

   今更それを立て直すなら、

   わたし達はアストラルプレーンにアップロードが可能だったから。

   もうそっちに行った方が良くなって…。…ルシェ…なんだったっけ…?」

ルシェ「いにしえで言うVR。仮想空間かな?」

未来「そう、それ。

   …遥か昔で言う仮想空間であるWeb10、通称アストラルプレーン。に

   自身を転送して肉体を捨てた方が賢明である。ってなったわけね。

   天使が管理してるアストラルプレーンは永遠不滅のものであるし。

   わたしが18才になって許可されたら、

   肉体を持つ人間は、地上からいなくなるわけね。」


そ、そうだったんですか…。


未来「わたしがアストラルプレーン入りしたら

   そのまま船で地球を出る事になってるんだけど。アダムは来る?」


ええ…。ちょ、ちょっと待ってくださいね…。

すぐに判断つかないな…。

ロボットのわたしに否定材料も見当たらない、とは思いますが…。


未来「うん、わたしの誕生日までまだあるし。それまでに決めておいてね。

   ここに残っても仕方ないと思うし…。

   知り合いが多ければ楽しいしねっ、出来たらアダムも一緒に来てね?」


はい、検討しときます…。


ルシェ「…そうだよねぇ…。…だよね。」


どういう感情なのか、読み取れない感じにルシェが、

いつもより元気のない声でつぶやいた。


リオ「…未来様、おかわりは?」

未来「もういいわ。ごちそうさま~。アダムは?いい?」


え、はい。お腹いっぱいです。

ってより味がしなくなったよ…わたし故障したかな…。


未来「じゃあー、準備よし?!

   今日は何をして遊ぶのかしら?何か仕込んであるんでしょう、ルシェ?」


いつしか人類の進む道は行き止まりになっていて。

右にだって、左にだって…もはや、解決策はなかったんだ。

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