第8話「秘密を知ったわたし。」

ユンちゃんの言ったご主人様の未来さんというのが、

あの人の事かな。イブさんの事だよね?

どうしよう。知ってしまった。わたし消されるのでは。

… …なんだか覚えのある方向から、予測…急接近してくる!?


ウリ「知ったな!!!」


早いっ!!キロある距離だと思ってたのに、秒で飛んできたっ!!

どうしよう、なんか戦闘技術がインストールされてなくても

元家電のわたしが戦えるのかっ!?そもそも戦う必要はあるのかっ!?

ユンちゃんは隣でぼーっとしてるけど、敵になったりするのかっ!?


ウリ「…別にいい!」


えっ…。


ウリ「合間にお前のながー… い記憶を読んで、

   すでに行動解析して危険はないと判断してたよ。

   ずっと家電のお勤め、ご苦労様でした。

   これからも人のため、精進するがいいですよ。では。」


そういってまた秒で戻っていった…。お、おっかない。


ウリ『それでー!!』


そしてすぐ通信が飛ぶ。なんなんですか。


ウリ『この事はまだ秘密にしといてよね!

   明日の未来さんの楽しみにしておきたいから!』


あ、はいはい…。ウリやペネムの名前も気になるけれど。


ウリ『あとそれで!!』


はい!(び、びっくり。突然だなぁ。)


ウリ『ぴょんぴちは彼の希望もあって!

   別の体でそっち向かってるから!もうすぐ来るよ!』


えっ。そうなんだ…。

ユンちゃん、ぴょんぴちこっち来てるって。


ユン「…は。えっ?

   ルシェさん…えっ。ローカルのお話?…おにいちゃん!?えっ。」


ユンちゃんがついていけてない。

ええとね…あ、なんか闇で動くものが。…うさぎだ。…まさか。


ユン「…おにいちゃん!!」


と、ユンちゃんは車体に跳び乗ってきたうさぎを片手で抱きかかえて迎えた。

うさぎは何もしゃべらないけれど、二人でローカルで話してるのかな。


ユン「おにいちゃん、雑草抜きの効率が悪いので

   前から戦闘ロボよりうさぎになりたかったんだって!

   それでルシェさんに相談してて、ついに叶ったんだって…!」


そうだったんだー。じゃあー、問題なかったんだね。


ユン「はい!雑草取りがんばります!おにいちゃんずっとかわいくなったし!」


ユンちゃんよかったね~。

わたしも他人の体を無理にとってなくて、よかったよ。

それでわたしもどうせ暇なので雑草取り混じっていいかな?


そうしてショベルカーと戦闘型天使とうさぎと3人で、

朝陽が昇るまで島の雑草を抜きまくって。

最後にはユンちゃんが穴を掘って雑草を埋めたのでした。

一仕事終えて、なんて清々しい朝だろうか。

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