第3話「わたし飛べるな。」

イブ「さーて、…帰りますか。随分遊んだし。落ち着いて話したいし、ねっ。」


暫定、イブがわたしを見てそういった。

二人で遊んでたんだ。


ウリ「ねぇ~帰ったらこの口調やめてもいいもぇ?」

イブ「だめー。寝るまでが今日1日ー。」

ウリ「ひどいめぃ!こんな醜態をまだ新入りの前で晒すもゅ!?」

イブ「罰ゲームだからねー。」


その口調、罰ゲームだったんだ…。

と、思うと反応してウリがキッとこちらを見た。


ウリ『…これはお前に直接語りかけてるけどまぃ、

   ちょーどたまに負けてあげたとこなので察しも。

   …これ言うんじゃないも?』


はいはい。少し前でもロボットは人を上回っていたですし。

ゲームするにもたまには負けてあげないと。

それにしても心の中の会話まで、その口調で真面目ですね。


ウリ『人の言う事に天使は従い、叶えるものなのみょ。』

ウリ「行くみょー!!」


そうなんだ。

と、おもむろにウリがイブを抱えたかと思うと、

あっという間に空の上へと飛んで行った。

え、そっちなんだ。わたしどうしよう。


…なんて思うまでも無く。


何となくわたしもふつうに追って飛んで行けるのだから不思議すぎる…。

ウリもわたしも、背中に何だか羽らしきものがあるのはわかるけれど、

羽ばたくわけでなく、プロペラでもなく、ジェットエンジンでもなく。

どういう技術で飛んでいるんだろう…。考えてたら変になって飛べなくなりそうだ。

歩くのといっしょ、歩くのといっしょ…。


眼下の殆どは海面に沈んでいた。

あれからやっぱり、地球は温暖化して水没したのか、大地震があったのか。

わたし達以外に動く人影はどうにも見当たらない。

そこそこの広さの土地が浮遊しているな…。あそこがお家なんだ。


技術がそれにしても違いすぎる。

わたしが目覚めたのは、人型ロボットが普及し、人も超えたその何年後なんだ…?

後にネットワーク接続が許されたら、何があったのか是非調べてみたい。

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