第4話 猫と犬の病院、最期と今とこれから。

 第4話は、3話の続きです。

 前話でお伝えしましたように、チェリーの最期についても記載いたしますので、どうかご了承下さい。


 次話はまた明るい内容に戻します。

 本話が最終話ではございませんので、もしもの場合にはこの話のみ飛ばして頂いても大丈夫です。


 先に、実家で飼っておりました雄のビアデッド・コリーの話を少しだけさせて下さい。こちらもまた、最期のお話です。


 黒と白の毛が混ざり、散歩のときは草むらに入り込む犬で、名前は太郎。太朗、タローとも呼ばれていました。

 チェリーより先に実家で飼われていました。外飼いでしたから、チェリーとはほとんど交流がありませんでしたが。


 若い頃の豆が母校での教育実習のために実家に帰省していた時のことでした。

 元々、当時の太郎には馴染みの動物病院がありました。


 当時は犬や猫の寿命も今ほどは長くなくて、既にシニア期に入っていましたので、動物病院の先生と父母との間ではそのうちには、という話は出ていたようでした。


 そして、そのうち、の時がやってきました。


 父母と、弟(当時高校生)は動物病院へ。

 若豆は、翌日の教育実習の準備をしていました。


 帰省の時期ではなく、教育実習期間中。

 偶然にも、そのうちに、が現実となったときに実家にいることができたのです。


 そのことが、太郎との別れをきちんと別れなのだと認識させてくれました。

 教育実習が終了した頃、家族と共に太郎の火葬にも付き添うことがでしました。


 その火葬場は収骨もさせて頂けて、専用のものでこそありませんでしたが、きちんと蓋のできる納骨用のかめも家族が用意していました。

 ですから、実家から大学に、一人暮らしに戻った頃には太郎とさようならをしたのだなあ、と思うことができました。


 そして、チェリー。

 虹の橋を渡ったのは17歳くらい、と思っていましたが14歳くらいだったのでは、と思いましたので、初投稿時の第1話を修正しております。ですが、もしかしたら14歳よりは上だったかも、とも思っています。

 何度も修正するのはよくないので14歳くらいのままにしておりますが。


 太郎に、さようならをしたあとのことです。

 数年後、チェリーは太郎の最期の歳よりも上になっていました。


 たまにある実家とのやり取りで、チェリーはとっくにシニア世代になっており、通っている動物病院さんからも、そろそろ、の話も出ていたと聞いていました。


 それでも、チェリーは昔よりもジャンプの高さが低いかな、くらいでまだ元気にみえていて、お盆や年末年始、帰省の時期に会うのがとても楽しみでした。


 そんなある日。

 母からの電話を受けましたら。


 普通の会話から、何とも言えない間が空いて、だったと思います。


「……チェッこちゃんが、死んじゃってね……」

 チェッこちゃん、チェリー、チェリーちゃん。

 実は、チェリーはそんな風に呼ばれていました。


 いきなり、という訳ではなく、何とも言えない間。そこから……という雰囲気でしたので、電話を切らずに話を聞くことができました。


 やはり、病気ではあったそうで、手術をするか、しぜんに任せるかということになり、実家の両親は悩んだ末に手術をお願いします……となったようです。

 然しながら、麻酔から目覚めず、そのまま。それが、チェリーの最期でした。


 その旨を連絡をして下さった動物病院の方は、泣いていらしたそうです。

 手術をしなければ。麻酔を打たなければ。

 色々と考えて、ある程度気持ちが落ち着いた頃に、母は電話をしてくれたのでしょう。

 口調は落ち着いていました。


 そして、太郎のように、やっぱりちゃんと火葬場で焼いてもらえたそうです。

 ただ、猫は小さいので全部の骨は収骨できなかったと。


 そのあとに帰省しましたら、やはり、玄関には甕がありました。


 太郎のものよりは小さい、けれどやっぱりちゃんと蓋のあるかめ


 その甕に「ただいま」と当時の若い豆が言えていたのかは覚えていません。


 でも、覚えていることもあります。


 あの、刺身のつまを食べていた部屋の中には爪でとがれた畳など、そこにいた証がたくさんありまして、ああ、ここにはチェリーがいたのだなあ、と感じました。


 そのあと何回か、帰省の度にそう感じていて、それがなくなった頃に実家はまた、犬を飼い始めました。

 雌で黄色のラブラドールレトリバーです。


 ブリーダーさんのところからやってきたその犬の名前は、ももちゃん。

 名前はもも、なのですがちゃん、までが名前であるかのように、しぜんと皆がももちゃん呼びでした。

 

 ももちゃんは、チェリーのとき、太郎のときには実家の両親ができなかったことをしてもらえていました。


 何を食べたらいいか、食べさせたらいいか。

 年齢に合わせたフードはどんなものか。


 そういったことも色々と考えてもらっていましたし、相談先もきちんとありました。

 

 今の時代の飼い主さんたちからしたら当たり前のことかも知れません。

 ですが、きちんとした飼い方。それが当たり前でなかった時代もあったのです。


 前回の美容院で聞きました動物専用CT設置済の動物病院のお話の中で、今はレントゲンでしたら動物病院でも普通に設置されているということも伺いました。


 犬、猫との暮らしは昔よりも様々な意味で工夫や想像、創造がされていると感じます。


 ほかの生きものたちも、そうなっていく、またはいっているのでしょう。


 太郎、チェリー、ももちゃん(ももちゃんも今は虹の橋の犬さんです)。


 みんなが生きていたとき、動物病院に通っていたときのこと。


 それがデータとなり、今生きている犬、猫さんたちのためになっていたらと思わずにはいられません。


 今回の内容でお辛いお気持ちになられました方がおられましたら、申し訳ございません。

 冒頭に書きましたように、次話からはまた、明るい内容に戻ります。


 ご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

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