20 スポーツ大会②
無事二回戦を突破した誠たちは午前の試合はもうないため、女子のバレーボールを見に来ていた。
「やっぱ可愛いなあ一ノ瀬さん……」
クラスの男子が呟く。
「そうだな〜!流石校内ナンバーワン美少女だな!」
蓮が続く。
「なんといってもあのスタイルだよな~。出るとこはしっかり出てるし締まるところはしっかりと締まってるよな~」
「流石にそれはきもいぞ~玉置。思っていても言うなよ~」
この発言には流石の蓮も引いたようだ。
「にしても女子がんばってんな~!頑張る女子は無条件で可愛いよな~誠」
「……そうだな。(俺に話を振ってくるな)」
すると玉置が
「一ノ瀬さんって好きな人いるのかな~全然そういう話聞かねえよな」
確かに華恋は全くといってもそういう話がない。
「いや俺今日とんでもないとこ聞いたぞ」
クラスの男子が口を開いた。
「さっき女子たちが話しているのが聞こえたんだが、一ノ瀬さんゴールデンウィークの時にめっちゃイケメンのやつと歩いていたらしいぞ。しかも二人で」
その言葉を聞いた誠は体を固まらせる。
(……え、見られてたのか。まあ見られても俺とは誰もわからないだろう……)
「そ、う……なのか……彼氏ではないよな……?」
クラスの男子たち、いや話が聞こえていた男子たちは絶望の色を浮かべていた。
「っし!昼からの三戦頑張るぞ〜!」
クラスメイトたちも盛り上がる。
「にしても昼から三試合ってハードすぎない?」
「まあ他のところは二試合だもんな多くて。俺らが午後一発目の試合をしたら他のところはすぐに準決勝だもんな~」
(午前に二試合消費したかったな……)
そうこうしているうちに試合が始まった。
相手は3年生。体格的にも技術的にも遅れをとっているが必死に食らいついた。
後半1対0と迎えた残り数分。グラウンドに声援が響き渡る。一際目立ったのは華恋の声だった。
「頑張ってください!」
その声を聞いたクラスメイトたちは先程よりもはるかに良い動きをみせ見事逆転勝利した。
その後の準決勝も危なげなく勝ち、とうとう決勝戦まできてしまった。
(こうなるとほぼ全員の生徒が観戦か……気が重たい)
決勝戦の相手は3年生だ。
「よぉし!ついに決勝まできたぞ!ここまで来たら優勝だあ!」
「「「おお!」」」
チームのボルテージも最高潮に到達する。
そして試合開始
相手の3年生はスポーツをしている人達ばかりでみんなサッカーが上手い。
序盤は相手のペースにのまれて気がつけば2対0。
「大丈夫だ!みんな諦めるな!」
蓮が必死にチームを鼓舞する。
すると俺のところにボールが来た。
「っし……やるか」
そう呟いた俺はドリブルで突破していく。
色んな人の声援が聞こえる。
その中から華恋の声も聞こえる。
俺は蓮にパスをした。ボールを受けた蓮は華麗なドリブルをみせてその後チームメイトにクロスをあげ、見事一点を取り返した。
そのプレーで会場は大盛り上がりだ。
試合時間も残りわずかとなってきているが点差は変わらず2対1。
ラストワンプレー。ボールは俺がもっている。
(ここは魅せるしかないな……!)
俺は必死にドリブルをした。何人もの人を抜き、ここでシュートモーションに入る。
「いけ!誠!」
「きめろー!結城!」
「がんばってください!」
と華恋の声が耳に入った。
思い切って蹴ったボールは見事にネットに突き刺さった。
会場は大盛り上がりだ。そこでホイッスルがなり、PK戦にもつれこんだ。
結果は準優勝だった。
(でも楽しかったな……悪くない)
そう余韻に浸っていた誠のところにクラスメイトが集まってた。
「結城!おつかれ!サッカー上手かったんだな!最後のは痺れたぞ!」
こうして憂鬱だったスポーツ大会は幕を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いいねやフォロー、応援コメントお待ちしています!☺️誤字、脱字などの報告やアドバイスはすごく助かっています!それと星をつけてくれるとありがたいです!
今後とも応援よろしくお願いします😊
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます