19 スポーツ大会①

ゴールデンウィーク明けの学校はいつもに増して活気に満ち溢れていた。一人を除いて。


「おはよ~!誠!今日は待ちに待ったスポ大だな!」


朝からテンションが上がりに上がっている綾瀬蓮。


「おはよ蓮。俺は来なくていいと思っているよ。今でも中止にならないのかなとも考えている」


と誰よりも憂鬱そうなのは結城誠。


「俺らのクラスはシードだから初試合まで時間あるな~!ちょっと練習しようぜ!」


「……いやだな」


「そんな釣れねえこと言うなよ~!ほら早く行くぞ!」


誠は腕を強引に引っばられたので、観念してついて行くことにした。


サッカー練習を始めて少し経った。


「誠サッカー普通にできんじゃん!」


「だからスポーツは普通にできるんだ」


「ならなんでそんなに嫌がっているんだ……?」


「汗をかきたくない。しんどいの嫌い」


と子供じみた事をいう誠に対して蓮は


「よし!そういうことなら気にする必要もないな!」


「……なにをいってるんだ?」


「ああ!言ってなかったな!今日の試合に出る予定だった長谷川がゴールデンウィークの課題終わってなくてな!出れなくなったからその穴を埋めるのが誠ってわけだ!」


その言葉を聞いた誠は絶望する。


「お、俺以外にも代わりはいるはずだ……」


「ああ!すまん!もう連絡しちまったわ」


誠はここ最近で一番の絶望をあじわった。



そしてサッカーの部二回戦。

「相手は同じ学年の三組だ。落ち着いてプレーすれば勝てる!」


と蓮がチームを鼓舞する。その言葉にチームメイトも乗っかりチームは盛り上がる。

「っしゃ!やったろうぜ!」


「ああ!勝つぞ!」


と様々な声が飛び交う中、誠は

「ダメだ……吐きそう」


と一人だけ取り残されていた。



試合開始直前


「お、おい!あれ見ろよ!」


(あれ見ろか……なんだ?……え華恋!!??)


「一ノ瀬さんが見に来ているぞ!これは負けられねぇ……!」


と華恋の登場によりクラスメイトのボルテージはMAXになった。誠を除いて。


(ほんとに見に来た……や、やばい胃が痛い。)


自分が初っ端から試合に出ると思っていなかった誠は過度な緊張によりガチガチになっていた。


すると笛がなった。キックオフだ。


相手はパスを華麗に回し誠らのクラスを翻弄する。


「や、やばい!みんな落ち着いて周りを見ろ!」


蓮の言葉はあまりチームメイトに届いている様子はなく、翻弄され続けている。


一方の誠は

(次はあの人のところにパスがいく)


冷静に分析してパスカットをした。

「ナイス!誠!」


「やるじゃん!結城!」


とチームメイトからの賞賛を受けて、柄にもなく気分が上がった誠は一人そのままドリブルを続ける。


見ていた生徒たちは

「す、すげぇ……」


「髪の毛長い子すごくない?」


などの声を出していた。もちろんその声は誠にも届いていたため、より気分が上がった。


「蓮!」


「ああ!」


誠は蓮にパスをだし、蓮は見事にゴールを決めた。


勢いに乗った誠チームは見事3対1で勝利し、三回戦に駒を進めることになった。



「いやあ~!誠上手かったな!」


「まあね」


「結城!上手いなんて聞いてないぞ!想像以上だ!」


「あ、ありがとう」


誠はクラスメイトに声をかけられてアタフタしていた。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いいねやフォロー、応援コメントお待ちしています!☺️誤字、脱字などの報告やアドバイスはすごく助かっています!それと星をつけてくれるとありがたいです!

今後とも応援よろしくお願いします😊



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る