15 嵐の如く
「あらやだ~まこと!こんなに可愛いガールフレンドいるなら教えなさいよ~水臭いわね~!」
そう言いながら玄関の方まできた真由美。
その横にはどうしたらいいかわからずに困惑している一ノ瀬がいた。
「い、一ノ瀬さんは彼女じゃない」
と結城は言ったものの真由美は聞く耳を持たず、
「恥ずかしがらなくていいのよ!もう!」
と頬を膨らませながら言う。
「い、いえ結城さん。誠くんとは恋仲関係ではありませんから……」
「ならなんで華恋ちゃんは誠の家にいるの?それにお料理つくってるの?もう!華恋ちゃんも恥ずかしがらなくていいから!」
その言葉を聞いた一ノ瀬は誠に助けを求め視線をおくる。
「こうなったら母さん聞く耳持たないから……すまん」
「い、いえ……大丈夫です……」
そんなことなんか知るもんかと言わんばかりに真由美は
「しっかし華恋ちゃんかわいいわねぇ~目の保養だわ!それに誠の彼女なんて~嬉しいわあ~」
はぁ と誠はため息をもらす。
「母さん。ほんとに違うから。一ノ瀬さんも迷惑にしてるからやめて」
「知ってるわよ~からかっただけよぉ~ごめんね華恋ちゃん」
「だ、大丈夫です……」
一ノ瀬はホッと胸を撫で下ろす。
「ところで華恋ちゃんはどうして誠に料理を作ってるの?」
「ああそれは俺の食生活が見るに堪えないらしくて食費折半で作ってくれることになったんだ」
「あらあらまあ!通い妻じゃない!」
その言葉を聞いた二人は絶句する。
「い、いや違うから……一ノ瀬さんの迷惑になるからやめて」
「あらそうなの?華恋ちゃん」
「い、いえ大丈夫ですから……」
そう言いつつも一ノ瀬の頬は紅く染まっている。
「まあ華恋ちゃんの料理できてるからリビング行きましょう~!」
そのまま三人はリビングに向かった。
「今日も美味そうだな。ありがとう」
「いえ。では食べましょうか」
「ああ、いただきます」
「いただきます」
二人が食事を取っていると真由美が
「あなたたち夫婦みたいねぇ~」
と言ってきた。
誠はむせてしまい、華恋は箸を落としてしまった。
「二人とも可愛いわあ~」
「か、母さん。せめて食事中はやめて」
「あらそう?しょうがないわね」
と真由美は不服そうにしながらもやめてくれた。
食事が終わった。
「今日もありがとう。おいしかったよ」
「はい。お粗末さまでした」
「いやあ~華恋ちゃんほんとに可愛いわねぇ~娘に欲しいくらいよ!」
「なんでそうなる」
「料理もできて可愛くてそれに誠の胃袋掴んじゃってるし?」
「ああもう……わかったら一ノ瀬さんを帰らしてあげてくれ」
「そうね~ところで華恋ちゃんはどこに住んでるの?」
「誠くんの隣の部屋です」
その言葉を聞いた真由美は顔をパァッと光らせて
「運命じゃないの!」
と言った。
「いやそんなことで運命にはならないから」
と冷静に対応する誠。
一ノ瀬も慣れてきたのか落ち着いている。
「まあいいわ!華恋ちゃんも帰らないといけないみたいだし今日はこの辺にしといてあげるわ。ところで華恋ちゃん。ちょっとおいで」
そう言われた一ノ瀬は真由美の所まで行って二人で何やら話している。
「うん!ならそういうことにしときましょうか!またね華恋ちゃん!」
「は、はい。では真由美さん失礼します」
一ノ瀬は玄関の方に向かう。それに続いて誠も追いかける。
「ごめん。一ノ瀬さん。母さんうるさかったよな」
「いえ。楽しい時間でしたよ。仲がよろしいのですね。すこし羨ましいです」
「羨ましい……?」
「あ、いえ。では失礼しますね。おやすみなさい」
「ああ。おやすみ」
そうして一ノ瀬は帰っていった。
(……羨ましいか)
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