09 見るに堪えない
熱が引いて学校を登校した日の放課後。
『こんばんわ。結城さんはいつも食事は自炊されているのですか?以前お粥を作った時にみたキッチンは非常に綺麗でしたけど』
携帯が震えて見てみるとそこには『一ノ瀬華恋』という名前があった。
(一ノ瀬さんからメッセージか……どうする?いつもご飯はカップラーメンかコンビニ弁当なんて言えないだろ……)
「いつもご飯は自炊するかコンビニ弁当だな」
すぐにメッセージが返ってきた。
『嘘ですよね?キッチンなんか使ったことのある痕跡ありませんでしたよ』
(……バレてるな)
「ごめん。いつもはコンビニ弁当かカップラーメン」
『呆れました。健康に悪いです。今日は作りすぎたのでおすそ分けさせてもらいますね』
とメッセージが来てからインタホーンがすぐに鳴った。
「こんばんわ。結城さん。おすそ分けです」
「いいのか?俺にくれて」
「はい。あなたの不健康さは見るに堪えません」
「お、おう。ありがとう。それにしても手作りか?」
「一人暮らしなので当たり前です」
(一ノ瀬さんの手料理とかクラスいや学校全体の男が騒ぎそうだな……)
「そ、そうなのか……今日はありがとう。明日タッパー洗って返す」
「はい。そうしてください。では」
そう言い残して一ノ瀬は自分の部屋に戻っていった。
(改めてみるとすごいな……)
一ノ瀬がおすそ分けしてくれた料理は肉じゃがといかにも健康に気を使ってそうなサラダだった。
「レトルトのご飯あるかな?」
そう呟きながら台所をみてまわると
「あった」
以前に買ったレトルトご飯が残っていた。
「いただきます」
食事を終えた結城は
「うまかった~」
と満足そうにしていた。
「しっかし肉じゃがもめちゃくちゃ美味しかったしサラダもおいしかった。一人暮らしで料理か……」
ここにきてから何度か自炊をチャレンジした事がある結城だが、料理のセンスは皆無だった。
「料理できる人ほんとに尊敬だな……でも冷めててこんなにおいしいなら出来たてはどれくらいおいしいんだ?」
翌日
「おはよ~誠~」
「おはよ蓮」
「スポ大なにでるか決めたか~?」
スポ大という言葉を聞いて結城は露骨に嫌そうな顔をする。
「……サッカーにするよ。蓮は?」
(あんま動かなくて良さそうだし……)
「俺もサッカーだな!」
「なら同じだな。俺の分まで動いてくれよ」
「っな!お前前から思ってたけど運動苦手なのか!?」
「そうだな……苦手というか無駄に動きたくないな」
「なんだよそれ~」
「去年のスポ大ってどんな感じだったんだ?」
「三学年計18チームのトーナメントだな!サッカー部ならサッカーの試合は参加できないし、野球部なら野球の試合に参加出来ないっていうルールだな!あ!あと準決勝くらいからめっちゃ盛り上がるぞ!」
「そうなのか……なんかあるのか?一人何分間は試合に出ろとか」
「そうだな~たしか試合中の交代は何度でもできるから試合を通して全員1回はでないといけないな~」
「はぁ……」
「たのしみだな!」
「……憂鬱だ」
スポーツ大会まであと二週間か。
学校が終わり夕方にタッパーを返しに一ノ瀬の部屋に訪れていた。
「これありがとう。おいしかった」
「どういたしまして。ではこれどうぞ」
そう言いながら一ノ瀬は料理が入ったタッパーを結城に渡した。
「……なんでそうなるんだ?」
「あなたの食生活は見るに堪えないので毎日おすそ分けしようと思いました」
(見るに堪えない……か。事実だな)
トゲのある言葉が結城にささる。
「毎日??それは流石にわるいから遠慮しておく」
「一人分も二人分も変わりませんよ。それに私料理するの好きですから」
「そうなのか……?ならせめてお金は受け取ってくれ」
「そうですね……食費は折半にしましょうか」
「人件費は払わなくていいのか?」
「はい。でもそのかわり条件があります」
「……なんだ?」
「あなたの家のキッチンを貸してください」
「……へ?」
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初めて自分で小説を書いてみようと思い、かきはじめました!初めてなので文章とか誤字脱字色々おかしいとおもいますがそのときは優しく指摘して下さい😊
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