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「こんな所・・・入っていいわけ?」
「俺が鍵持ってるし、俺の管轄だからな!」
「樹里のこと入れていいの?」
一応聞いてあげると、ロリコンエロ親父が少し固まり・・・樹里を少し見て・・・
「お子ちゃまはそんな心配すんな!」
そんな一言で片付けてしまう、ロリコンエロ親父・・・。
法務部長らしいけど・・・“法務部 資料室”に無関係な樹里を勝手に入れてしまっている。
しかも・・・
その中で床に座りながら、2人でお弁当を食べているという・・・。
「旨い?」
「うん・・・。」
「何だよ、その微妙な反応。」
「悔しいけど、美味しいから。」
「なんだ、そんな可愛いことも言えるのか!」
誰かが作ってくれたお弁当を食べるのは、久しぶりだった。
昨日まで全然ご飯が食べられなかったけど、ロリコンエロ親父のお弁当は美味しかった・・・。
お弁当箱の中身を見る・・・。
唐揚げ、ハンバーグ、ポテト、タコさんウインナー、ブロッコリー・・・
それと、鮭フレークが混ざっているおにぎりに海苔が巻かれている・・・。
サランラップが巻かれていたから、しなしなになっている、海苔・・・。
どれも、美味しかった。
悔しいけど、どれも美味しかった・・・。
ペロリと食べられてしまった。
久しぶりに、お腹が膨れた・・・。
何かセクハラをされるかと警戒したけど、そんなこともなくて。
お昼休みもあと5分で終わる時間となり、ロリコンエロ親父が樹里の手から空っぽのお弁当箱を取り・・・自分のお弁当箱と一緒に持った。
「戻るか!」
「うん・・・」
立ち上がったロリコンエロ親父に続き、樹里も立ち上がった。
そして、肩に掛かったままのジャケットを取り、ロリコンエロ親父に渡す。
それをロリコンエロ親父が受け取り・・・
また、樹里の肩に掛けた・・・。
「今日は、あんま人事部の部屋から出んなよ!」
そう、言いながら・・・
無駄のない動きで樹里の顔に手を伸ばして・・・
樹里の唇に、親指で触れて・・・
また、触れて・・・
また、海苔がついているのかと思ったら・・・
突然、
突然、
軽く、キスをされた・・・。
驚きすぎて、驚きすぎて、固まった・・・。
そんな樹里をロリコンエロ親父が面白そうな顔で笑い・・・茫然とする樹里の腕を引っ張り・・・
法務部の資料室から、出た。
「じゃあ、頑張りすぎるなよ!」
そう言って、樹里の頭をポンッとして・・・
廊下を歩いて行った・・・。
その後ろ姿を少し見てから、樹里は女子トイレへ。
個室に入り、鍵を閉めてから・・・
泣いた・・・。
人生で初めての、キスだった・・・。
それを、セクハラで・・・された。
ロリコンエロ親父に・・・
ロリコンエロ親父に・・・
セクハラで・・・。
気持ち悪くなり、一気に込み上げてきてしまって・・・
トイレの中に吐き出した・・・。
全て、全て、吐き出した・・・。
吐き出した後も、何かを出そうと胃がひっくり返るように動き・・・
何も出てこないのに、何かを出そうとしていた・・・。
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