第3話 byしるばーたくみ

団子を口に頬張ると、そのなめらかな食感と茶との相性の良さに心が満たされる。土佐にはこれほど美味しいものはないだろう。思わず土産に持ち帰ろうと考えながら、団子を楽しんでいたその時、外から突然悲鳴が響いた。


店の外に飛び出すと、周囲の人々の視線が集まる一つの路地が目に入った。路地には一人の男が血まみれで倒れていた。彼の手足は不自然な方向に曲がり、口からは泡を吹きだしていた。その姿は見るに耐えないほどの惨状だった。おそらく彼は建物の三階から転落したのだろう。男の近くには小さな男の子が立ち尽くしていた。龍馬は悲惨な光景を子供に見せたくないと考え、すぐさま男の子の前に駆け寄り、彼の視線から男の姿を遮るように手をかざした。そして心配そうに尋ねた。

「君、大丈夫かい? 君のお父さんはどこにいるんだ?」

男の子は黙ったまま、地面を見つめ続けた。そしてゆっくりと手を伸ばし、悲惨な姿の男を指さした。龍馬は男の子の行動に心を痛めながらも、彼が伝えたいことを理解した。このような小さな子供を抱えながら、彼の父親が子供に残酷な最期を見せることになるなんて、皮肉な運命だと感じた。

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