第2話 あけてにゃ


 そとはゆきがシンシンとふってさむいから きょうはいつもせわになっている このおうちで ひとばんやすませてもらうつもりだ


 このいっけんやは わかふうふがすんでいて ちいさいおんなのこがいる


 さて ではおじゃまするか



 カッカッカッ


 にゃぁ(かえったぞっ)


 カッカッカッ


 にゃぁにゃぁ(はよあけろやっ さむくてしぬわっ)


 カッカッカッ カッカッカッ


 にゃぁにゃぁ(いるのはわかってんだよっ ガラスぶちぬくぞっ)


 ペシペシ ペシペシ ペシペシペシペシ


 ガラスまどからもれるあかりのなか ひとのかげが ちかづいてくる


 にゃっ? にゃぁぉ♪(おっ? やっとカーテンがあいたか)


 ……。


 ペシペシ


 ……。


 ペシペシ ペシペシ


 ……。


 にゃぁぁぁっ(はよあけろやぁぁぁぁぁっ)


 ペシペシペシペシ ペシペシペシペシ ペシペシペシペシ


 にゃにゃにゃ にゃぁぁぁ にゃんにゃん(ニヤニヤしながら スマホむけるなぁっ だれのきょかとって さついえしているんじゃぁ しばくぞっ ごらぁ)


 いっこうにあけようとしないオクさんに オイラはあくたいをつきながら まえあしをなめたり よこになってはらをみせたり しりのあなをガラスにおしつけたりと きをひくさくせんにへんこうしたら ようやくうごきがあった


 ガラガラガラ


 にゃぁにゃぁ♪(よっしゃぁぁぁっ さくせんせいこうっ)


 オイラはオクさんのすねに おれいがてら くびをこすりつけるようにしながら スルリといえのなかに あがりこもうとするが スッと てがのびてきて オクさんのむねにだかれてしまった


 にゃぁぁ(ふわぁぁぁ あったけぇぇぇ)


 わかいオクさんは あたたかそうな あかいニットをきていて とてもおむねがおおきいびじんさんだ


 まるでオイラは にんげんのあかちゃんにもどったきぶんだ


 ここちよさにおもわず のどがなってしまう


「あらあら、ゴロゴロいって気持ち良さそうね」


 にゃぁ♪(ああ さいこうだ)


「それにしても君、重いわね。いったいどこで食べ物もらってるのかしら?」


 にゃぁにゃぁ(いろんなとこで もらってるぞ)


「少しダイエットしたほうがいいかもね。きょうはごはん抜きにしましょうか」


 にゃっ!(そんなぁぁぁっ!)


 オイラはめをうるませながら みじかいまえあしをおがむように ひっしでごはんくれくれアピールをした


「きゃ、きゃわゆいぃぃぃっ。今すぐごはん用意するからね。待っててニャンコちゃん!」


 にゃぁぁぁん♪(ふっ ちょろいぜ)


 オイラは ソファのふわふわクッションのうえにまるくなると だんぼうのきいたへやのおかげで とてもねむくなる


 まどのそとをふとみれば ゆきはまだまだ ふりやみそうもない


 やっぱりにんげんのおうちが いちばんあたたかくて おちつくな




 にゃぁ




 了

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ノラ猫ブンタの日がな一日 八万 @itou999

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