第5話 入学式の形

 青春しかり、売春しかり。

 春はよく明るい表現として使用される。

 寒く暗かった冬が終わり、その急激な気温の上昇や日脚の伸びはもちろん、今まで眠っていた草木や動物たちが活発に動き出すことによって変化する環境。

 それらはまさに明るさの象徴であり、春とはやはり喜びの季節であると言える。

 そんな祝いの季節である春でも特に人生の春であるところの高校生といえば青春であり、ただでさえ明るい春をより彩るのもまた高校生活である。

 さて、そんな人生の春である高校生活が始まって約二カ月。

 地球の軸が真っすぐになっちゃったのかな?と思ってしまうほど一瞬で終わった俺の春は一体いかにして終わってしまったのか。


 きっと誰よりも短い春を過ごした俺の青春はこうして始まった――……



 夢と希望に胸躍る入学式の朝。

 春陽照らす通学路を、俺は新鮮な気持ちで歩いていた。

 途中特に道に迷っているところを美少女に案内してもらったり、不良に絡まれているところを助けたりといったお約束イベントなどは起きず、何事もなく学校に到着した俺は、友達百人を目標に一ノ瀬学園の門をくぐった――というのはもちろん嘘だ。いや、美少女うんぬんはあっている。俺的にはそここそ嘘であってほしかったが。


 入学式、それは新たな環境に対する不安、面識ない人々との人間関係の不安、他者と比較した自らの能力に対する不安、親からの期待という名のプレッシャーなどなど、不安や焦り、希望と後悔、嘘と優しさに桜の絶景でふたをして、お弁当につめたようなものだ。……うん。分からん。まあ、とにかく、桜を見とけば不安も何もなくなるよねってことだ。


 他の学校は知らないが、俺たちの学校は事前に個人の携帯番号に学校のメールアドレスを登録しておいて、クラスや出席番号などは入学式の前の日に通知されるという形式だったため、特に混雑することなく自分のクラスまでたどり着いた。中に入って自席へと座る。ちなみに出席番号は36番。どうやら名前の五十音順ということでも無いらしい。

 横七縦六席ずつに席は並べられており、俺の席は中庭側の窓際最後列だ。九十九の「つ」で大体中心の方の席なのかなと思っていたらそんなの関係なく問答無用で最後にされているあたり、何故か入学早々ハブられている気分にならなくもないが、別に悲しくなんかない。……ホントホント。

 家を出るのが随分早かったからか、俺以外にはまだ登校して来ている生徒はいなかった。

 やることもないので椅子を引いて姿勢を崩す。そしてそのまま机にうつぶせになって目を閉じた。昨日はジャンプ作品を一話から復習していたので寝不足だ。やっぱり冬島編はいつ観ても感動するね。

 やがてすぐに眠気が押し寄せ、俺の意識はそのまま夢の中へと誘(いざな)われていった。


 ……いや、ほんとここまで何も起こってないな。むしろ物語としてそれでいいのか?と思ってしまうくらいには平凡な入学式の朝と言えよう。

 ではどこからが問題なのか。

 それは、新たなクラスメイトたちが続々と登校してきて周囲が喧騒に包まれた頃だ。


『――お~い』


 遠くで誰かを呼ぶ声がする。暗い闇の中、それは誰に向けてのものなのだろうか?  いや、そんなことより眠い。凄く眠い。よって無視!


『ねえ?』

『聞こえてないの?』

『お~い! 起きなよ~』


 聞き覚えのない、けれどとても可愛らしい声だった。ともすればこのままずっと聞いていたいような。けれど、今はそんなことより眠い。とにかく眠い。だからその声も今の俺にはただの雑音でしかない。一体誰だろう? 俺をこの楽園から引きずり出そうとするのは。まなみには今朝世話になったばかりだ。俺は二度寝しちまったのか?


『もうほっといていいんじゃない?』

『いやでも……、もうすぐ式始まっちゃうし』

『はあー、もう! 仕方ないわね。ほ~らっ、早くおきなさいよ、あんた。葵がこまってるでしょう!』


 乱暴に体を揺すられる。物理的に起こされては、流石に目を覚まさないわけにはいかない。


「ん~~~~ううっ……、はあ。分かったよ。おはよ、まなみ。今日の起こし方は優しいな。いつもはあんなに激しいのに」


 俺はそのまま大きく伸びをようとして――その手は何かやわらかいものに当たって止まった。


「(モミモミ)うん? 何だこれ?(モミモミ)う~ん、この張り付くような弾力と無条件で心が満たされていく快感……。ってああ、これ胸か⁉(モミモミ)そうか胸か~。道理で幸せになれるわけだよ。(モミモミ)いや~それにしてもまなみ少し育ったか? この間まで肉まんの下に敷いてるグラシン紙か?ってくらい薄っぺらかったのに今はどう考えても肉まんだな。ハハハハハ…………ハアッ⁉」


 瞬間、俺は急いでその肉まんから手を離すと同時、頭を抱えて考える。

 何でここにまなみが? まなみは確かに今朝俺の布団をはぎ取って、俺をベッドから落としたはずだ。あれはとても痛かった。たんこぶ出来ちゃったもん。

 いや、今はそんなこと考えている場合じゃない。

 え? 今のがまなみじゃないならいったい誰? というか、俺その子のおっぱいもんじゃったよね⁉ 揉みしだいちゃったよね⁉


 ……いや待て、落ち着くんだ。確かに俺を起こしてくれる女の子は妹のまなみしかいないが、俺の周りにはまだ姉さんや母さんだっている。そうだよ、姉さんだったんだ! きっと、そうだ。大きさ的にもそのくらいだろう。いや、いくら家族でも姉のおっぱいモミモミするのは結構ヤバいな。まあ、妹だから大丈夫だろうってモミモミしてたさっきの俺が言えることじゃないが。


 そんな俺の現実逃避の結論は、あえなくその女の子の悲鳴で霧散した。


「キャ~~ッ‼」

「ちょ、ちょっとあんた! 何やってんのよ⁉」

「え、何今の? 明らかにおっぱい触ってたよね? 揉みしだいてたよね⁉」

「うわっ、ありえないんだけど。というか何? まなみ? 他の女と間違えて揉んでたっていうの? クズ過ぎでしょ」

「うわ~、あいつ入学初日から飛ばしすぎだろ。ていうかまだ入学式すら始まってないんだけど」


 そのほかにも「キモッ」だの「痴漢」だの「俺も揉んで」だの罵倒の嵐が教室を飛び交う。ん? 今、変なのが混じっていた気がするが、まあ気のせいだろう。……気のせいだよな?


 そんなことより、どうやら俺はまなみと間違えて、俺を起こそうとしてくれていた心優しいクラスメイトのおっぱいを公衆の面前で揉みしだいた挙句、「張り付く」だの「幸せ」だの「肉まん」だのその感触を事細かに語って聞かせてしまったようだ。 その子はと言えば、悲鳴を上げた切りうずくまってしまいなかなか口を開こうとしない。

 うん。これはもう死んで詫びるしかないのか?


「わ、悪い! 妹かと思ったんだ。別にわざと君のおっぱいを揉みしだいてペロペロしてやろうだなんて思っていたわけではないんだよ」

「うわっ、変態の上にシスコン? マジきもいんだけど」

「妹さんかわいそー。普段家で何されてるんだろう? 警察に話した方がいいのかな?」

「ていうかペロペロとか言ってるし。本当にわざとじゃないの? いくらイケメンでもそれは流石にないわ~」


 周りの女の子たちは口々に俺を罵倒する。うん。というか、俺シスコンじゃないよ? 妹大好きだけどそんなことしないよ? だからそのスマホはしまってください。お願いします。


 まあ、いくら俺が弁明しようと、もうどうにもならないだろう。これは入学早々強制送還かな? 下手したらそのまま退学エンドもありえる。史上最速の早期退場かもしれない。きっとこの学校の歴史に残る記録だな。


 と、俺が心の中でニートになったら妹に養ってもらおうか、などと考えていると、肉まんのおっぱいを持つ女の子、つまり俺に揉みしだかれた女の子がやっと口を開いた。


「ご、ごめんね。急に悲鳴上げたりしちゃって。私が無理に起こそうとしたんだし、それでむっ、胸を触られたからってあなたを悪く言うのは違うよね」

「いやいや、葵(あおい)が謝ることじゃないでしょ。あんたが起こそうとしたのも元はと言えばこいつがずっと寝てたからなんだし」

「そ、そうだよ。それにいきなり胸を触られたりしたら誰だって悲鳴くらいあげるよ」

「で、でも。私が善意でしたことでもこの人には関係ないよ。それでこの人が辛い思いをするのは私が望んだことじゃないし。だからこの話はこれでおしまい。皆もこれ以上彼を悪く言うのはやめて、ね? ……それで、いいかな?」


 涙を必死にこらえながら、それでも彼女は言う。

 きっと誰でも今すぐこの場から逃げ出したい気持ちになるだろう。けれども、ここで彼女が逃げてしまえば、痴漢の冤罪よろしく俺はずっと責められ続ける。だから彼女は恥ずかしさや気まずさに耐えて、俺のためを思ってそんなことを言うのだ。

 それはまだ名前も知らない俺でも分かる。きっと彼女は強くて優しい素敵な女の子なのだと。


 でもまあ、彼女の言うことももっともだと俺も思う。今のこの状況も、ある一点から見ると確かに俺は彼女に痴漢を働いた加害者であるが、最初に関わってきたのは彼女で、それは俺の眠りを妨害するというものだった。言葉を変えるならお節介というやつだ。

 俺は彼女の存在をそもそも知らず、ただ妹と間違えてことに及んでしまったわけだ。そして彼女は悲鳴を上げ、それを見た周りの人間が俺に誹謗中傷を投げつける。

 この点でいえば、俺も名誉棄損で過剰な損害を被った被害者だ。まあ、見ず知らずの男に胸を揉まれることが、女性にとってそれよりもはるかに不快な思いをさせてしまうであろうということは、童貞の俺でも容易に想像はつくが。

 それでも、彼女の妥協案には賛成だ。どちらも悪いなら、そもそも無かったことにしてしまおうというのはこの場合の最善案だといえる。


「…………」


 けれど、それでも彼女のその辛そうな顔は、泣きそうな顔は、昔俺の家族がしていた顔を思い起こさせる。

 俺はもう二度と俺のせいで周りの人間を傷つけないと誓ったはずだ。もう二度と、間違わないと誓ったはずだ。


 だから俺はその案に乗ることは出来ない。もし、ここで彼女の案に乗ったとしても、傍から見れば俺は入学早々クラスメイトの女子に痴漢を働いた変態鬼畜シスコン野郎だ。って、シスコンじゃねえよ!

 そして彼女はその被害者。周りの人間は、始めの内は彼女に合わせて俺を責めることはしないかもしれない。しかしその気まずい空気は残り続ける。

 けれど彼女が一度自分にも非があると認めてしまった以上、大っぴらに俺を責めることは出来ない。それをすれば、彼女を責めることにもなるからだ。だから、そうなったとき、俺と彼女がいる限りその空気は残り続ける。

 次第に周囲はその気まずさに耐えきれなくなり、彼女はそっとそのなかから遠ざけられるだろう。

 俺はそもそも始めから遠くにいて、今の出来事で日本とブラジルくらい遠ざかっているので問題は無いが、彼女は違う。彼女のような優しい人間が、俺のようなクズのせいでそんなことになっていいわけがない。


 だから俺はクズになる。生憎と俺は、演技は大得意だ。なにせ生まれて此の方、仮面以外の自分に合ったことがない。

 そもそもクズというなら、今もたいして変わらないしな。


 俺はそれまでの顔を一変させ、ニヤリと不愉快な笑みを浮かべると、両手を挙げて”why”のポーズで言う。


「まあ、それでいいよ。俺としては、こんなに心が傷つけられたことが脂肪の塊を触った程度と同等の扱いを受けるのは少し納得いかないけどな」

「なっ⁉」

「え」

「ど、どうしたの急に⁉」


 突然の俺の豹変ぶりに、先ほどまで俺を責め立てていた連中は驚きを隠しきれない様子。

 よし、掴みはバッチリだ。


「そもそもお前たちは俺が悪いように言うけれど、本当にそうか? もし俺が本気でことに及ぼうと思ったら、何もこんな公衆の面前でやると思うか? やるわけないよな。だってそれをやったらこうなることは子供にだってわかる。つまりこれは完全なる不可抗力の産物であり、俺に非は一切ないと言える。それで俺だけが一方的に攻められ続けるのは道理が通らないんじゃないかな?」


 あまりの言いぐさ。けれど一応筋は通っているため、すぐには反論できない。

 入学気分の高揚で浮かれていた教室は静まり返り、誰も口を開こうとはしない。

 けれど、誰も口には出さないが考えていることは同じだろう。


 これでもう、俺がどういう奴かは伝わったな。


「っ……、ま、まあ、けれど、見たところ君も相当傷ついているようだ。うん。どうだ? 俺の胸も触っておくか? そうすれば君もいい思いができるんじゃないか?」


 俺はわざとこの教室の空気に耐えかねたように、小物臭ムンムンの、けれど最後にはセクハラ上司のような気持ちの悪いジョークを飛ばす。


「え……。ど、どういう……」

「何なら今夜一緒に飯でもどう? 胸を触りあったご縁で。俺良い店知ってるよ? なんならさっきの続きでも――」

「おい! いい加減にしろよ、お前! さっきから黙って聞いてりゃふざけたことばっか言いやがって。葉桜はお前のためを思って言ってんだぞ! それが分からないのか?」

「そ、そうよ。それに何その態度? あんたのせいで葵は泣きそうになってるんでしょ?ちょっとカッコいいからって何やっても許されるわけじゃないんだからね!」

「い、いいよ、はるちゃん。宮地君もありがとう。でも、彼の言ってることも事実だから。……えっと、ごめんね。そのお誘いは嬉しいけど、今日はちょっと用事あるから。また今度誘ってね」


 なんて心のこもっていない『また誘ってね』だろう。いくら俺でも女子にそんな拒否られ方をするととても傷つく。


「そうか、残念だ。まあいい。それじゃ、これでこの一件は終わりにしよう。ああそれと、自己紹介がまだだったな。俺の名前は九十九万才。これから一年間、よろしくな」


 そう言い残して、俺は入学式が行われるイベントホールへ向かうため部屋を出た。後ろでは彼女が泣き崩れ、またしても彼女を励ます会と俺を罵る会が盛大に催されていた。

 これで彼女は善意による行動を踏みにじられたうえに、相手を気遣った妥協案をクズい発言で否定され、あまつさえ自分に非があると言って理不尽に責められた被害者で、俺は完全にクズで鬼畜のシスコン野郎だ。……もうシスコンでいいや。


 ちなみに、最後に俺からもう一度妥協案を出す形にしたのとわざわざ頼まれてもいない自己紹介をしたのがポイントだ。

 まあ、先ほどまでの彼女の態度を見ていれば、彼女がどういう人間かは皆だいたい分かっただろう。ただそれが分かっているからこそ、あのままでは気まずい空気が残り続けた。

 けれど、これでその空気は解消され、みんな彼女に気を遣わずに、一方的に俺を悪だと罵ることができる。なぜなら先ほどの態度で、彼女だけでなく周りの人間にも俺が嫌なやつだと伝わったはずだからだ。

 先ほどまでだったら、俺が彼女にしたことのみしか情報がなく、俺を罵りはしても、それはどこか形だけのようにも感じた。そんな俺への接し方が分からないことこそが、気まずさの正体だ。

 だがこれで、みんな俺を悪だと認識して良いのだと分かり、俺を悪とする空気で彼女が遠ざけられる未来は消すことができただろう。


 結果的に彼女は入学早々クラスでの安全な地位を得ることができた。

 まあ、俺はもう完全に修復不可能な溝を掘ってしまったわけだが。

 でもま、それはしょうがない。マッチポンプではあるが、何とか彼女の未来を壊さずに済んで良かったと思う。

 俺は今まで無意識に数えきれないほどの人間の未来を奪い続けてきた。その償いが、こういった形ででもできたのなら、それはむしろ感謝するべきことだ。


 ……ちなみに、入学式の後、クラスでの強制自己紹介で俺がどれだけ辛い思いをしたかは、もはや語るまでもないだろう。

 あれは辛かった。本当に辛かった。なんで俺あのとき去り際に名前なんて言っちゃったの? おかげですっげー恥ずかしい思いしちゃったじゃん。クラスメイト達の敵意のこもった眼差しはもうこのクラスに俺の居場所がないことを如実に語っていて、とてもじゃないがあの女の子に視線を向けることは出来なかった。なので未だに俺は彼女の名前を知らない。だからこれから心の中では肉パイちゃんと呼ぶことにしよう。


 ……俺一回ホントに捕まった方がいいんじゃないか?





 とまあ、そういうことがあったおかげか、あれ以来俺に近づくクラスメイトは誰一人としていない。

 ラブコメなら一発殴られて済むような話だが、現実ではそうはいかないらしい。

 女子なんて俺が近くを通ると避けるレベル。……もう、引きこもっちゃいそう。

 まあ、それでも近頃はそれらも大分落ち着いてきたように感じる。人間はいつまでも同じことを続けていると飽きるからな。それでも、俺が嫌われていることには何一つ変化がないのだが……。


 苦い追憶に浸っていると、もう既に五分経っていた。教室に入り自分の席を確認する。彼らも既に自席へと戻っていたため、俺はやっと自分の席に着くことができた。


『キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン』


 俺が席に着くと同時にチャイムが鳴り、少しして担任の甘地先生が入ってきた。どうやら、今日の五時限目と六時限目は国語だったようだ。やべえ、そういえば俺教科書のこととか何も考えてなかったな。まあ俺はいつも教科書もノートも筆箱でさえ持って帰ってはいないので問題は無い。

 それにしても先生は今日も美人である。うん、美人はいつ見ても癒されるね。


「ではこれより授業を始める。確か、今日の欠席は九十九だけだったな。」


 もちろん先生は俺たちのクラスの担任なので、当然、朝のホームルームの時点で俺がいないことは知っている。

 念のためにと教室を見渡す先生。その目が一番奥の窓際を向いたとき、ある一点で止まった。

 目が合う俺たち。瞬間、俺は今日一番の飛び切りの笑顔を浮かべた。

 すると先生も美しい笑みを返してくる。けれどその目はまったく笑っておらず、それを見た生徒たちは皆一斉に目をそらしていた。無論俺も。


「……九十九、今日の放課後職員室に来るように。では授業を始めようか。日直、号令を頼む」

「は、はい。えと、……起立! 礼!」


 先生が感情を押し殺したような声でそう告げると、日直はしどろもどろになりながらも号令を告げ、皆のグダグダな挨拶とともに授業は開始された。けれども俺はそれどころではない。

 結局、今日は放課後までずっと遅刻の言い訳を考えるのであった。

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