君との出会いと私

 私、桜川愛菜は高校一年生だ。

中学の時は私の周りにはたくさんの仲間が(みんなは私と同じバスケ部の子と、バド部の子たちでみんなキラキラしていた。周りからはいわゆる陽キャって言われてた。)いて、みんなで楽しくおしゃべりをしていた。時々喧嘩をするときもあった。でもいつも仲良しだった。

 高校を決めるとき、私はだいぶ過保護な親によって南校を目指せられた。塾にも行ったし、しっかり頑張った。そしてこの高校に入学した。でもいつも一緒に居た友達たちは地元の近くの高校に入学した。私の親のことを知っていたから

「高校生になって離れても一緒にまた遊ぼうね。」

なんて言ってくれて今も連絡を取っている。

 高校に入学してからは中学の時もやってたバスケ部に入っている。先輩たちはみんな可愛くて頭も良くて優しくて…本当に尊敬しちゃった。でもこないだの11月の新人戦でアキレス腱を切ってしまい、来年の夏までバスケができない。

 私は泣いた。とても悔しかった。もう2、3年生の先輩とバスケができないって。

先輩たちは

「卒業してもOGになっても遊びに来るよ。」

って言ってくれたけどとても悔しかった。

 バスケができない中、私は心が空っぽになった。高校になってから友だちもできたけど、中学の時の子達より仲良くなれていなかった。中学の時はもっとみんなのところで泣いていたのに…今はそれができない。高校が違うから一回みんなは会ってくれたけどなかなか予定が合わなくてずっと一緒にはいれなかった。



そして1ヶ月が過ぎた。やっと歩けるようにはなった。でも一回練習を見に体育館にこっそり行こうとしたとき、体育館を見て胸が痛くなった。そして悲しくなった。

なんであそこで怪我しちゃったんだろうって。

そして体育館の入口に居たらキャプテン(私が一番好きな先輩)が声をかけてきて、

「本でも読んでみたら?おすすめの本があるんだ。多分これを読んだら少しは心が軽くなるよ。」

そうして勧められた本は私と同じ高校1年生の女の子の物語だった。自分は死んじゃうのがわかっているのにそれでも毎日、一生懸命に生きていた。先輩が好きだって言うのも納得するくらい、悲しいけどとても優しい物語だった。

 そして私は思い出した。私は本が好きだったって。過保護な親のおかげで小学校の時から沢山本を読まされてきた。ジャンルを問わず、たくさんの本を読まされてきた。でも少しも嫌だとは思っていなかった。少なくとも本のことだけは。

でも中学校の時はバスケにハマった。仲が良い優しい友達ともたくさん遊んだ。そして本を読むことを忘れていた。

 でも私は思い出した。本は元気を与えてくれる。勇気、わくわくも与えてくれる。そんな本が私は大好きだったって。いや、今でも大好きだって。



  そうして冬休みの間はたくさん家のほんを読んだ。家には沢山の本があった。お父さんも、お母さんも二人とも読書家でたっくさん本を持っていた。そして冬休みが終わる頃、家の本をすべて読み切った。

 私は小学校の時みたいに

そして初めて学校の図書室を訪れた。そして一人で静かに本を読んでいる君と出会った。静かに髪をめくる乾いた音。私の好きな紙の匂い。

すべてが調和していて思わず声をかけてしまった。

「ねえ、なんの本を読んでるの?」


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