見返し

少し静かな図書室。

少し寒い図書室。

少し乾いた空気。

少しかび臭い紙の匂い。

少し生ぬるい春風。

少し暗い電気。

少し強い日射し。

少し聞こえる廊下の音。

少し静かすぎる司書の先生。

少し日焼けした本。

少し硬いコーティングされた表紙。


微かにこだまする紙をめくる音。

微かに聞こえる君の呼吸。

微かに香る暖かい君の匂い。

触れていないのに、離れているのに微かに感じる君の暖かさ。


ちょっと考えてしまう君のこと。





そして少し寂しい図書室。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る