ミナミナ・スカイダイヴ
暗闇を落ちていく、しかしそれでいて上がっていくような感じがする。
空間を中でもがく美苗。
光が見えた。
その瞬間その暗闇ごと光が見えるその場所に引きこまられるような‥。
すさまじい吸引力が美苗を襲う。
「うわ!うわあ!!」
目をつぶってしまった美苗の眼にはなにも映らない。
しかし
シンとしている‥そして自分の重さ、重力を感じる。
両まぶたを開けていいものか…それとも片方にしようか?
美苗がビビりながらあたりの様子を確認しようとした瞬間
舌に味が広がった。
なにかを自分は味わっている。スープ‥であろうか?美苗は決心し
まぶたを開けた。片方だけではあるが―—。
目の前に現れたのは食堂と自分の前方に広がっている
料理と同じ物を食べている3人の人であった。パンもあった。
美苗はホットした。自分がイスに座ってそれほど長くないテーブルで
食事をしている。認識した。
しかし不思議だ。どこかで見たことがある食堂に3人の人間…。
食堂はすぐに答えがみつかった。
⦅そうだよ!小説とかアニメで見たことがある!⦆美苗は心の中で挿し絵や
アニメーションでみたことがある風景を今の状況と見比べてみた。
美苗は格闘技、猫と同等にファンタジー小説も好きであった。
それはドラゴンやゴブリンと自分だったらどう戦うか?といった脳筋の考えで
あったが…。
食堂のグレードは美苗がいままで読み、見た中で最上級の食堂を10とするなら
ここは3程度であろう。食事もだ。
丁寧に掃除されてはいるが古いのだ。
すべての装飾品が。
しかしそれはどうでもいいことだ。まずは3人に話かけ今の状況を
整理せねば…!
美苗がそう思うの無理もない!なぜならこのときの美苗の推測は
トラックとの激突によって見たこともない洋食店にまで美苗は吹き飛ばされ
あろうことかこのイスにピタリと着地!。そのままなぜかテーブルに座る。そして
男の人1人、女の人1人、 傍らにたたずむ女の人1人⦅メイドの人?
メイド服着てるしスッゴイ綺麗!⦆の3人が、なぜかこの騒動を黙認してくれている
という某名探偵が聞いたら爆笑もののガバガバ推理であったからだ。
まずは誰に話かけるべきか?美苗の脳裏にあっても仕方がないメガネを
くいっとかけた自分が浮かび上がる。
美苗の生来の闘争心がそうさせたのかただ1人の男…美苗の正面に座る
豪快に料理を食べるやたらと筋肉質でひげが立派な白人風の男に声をかけた。
「…あのーーここはいくらでしょうか…?」
一瞬の沈黙…がすぐに場は笑いにつつまれた。
【ガッチ・スカイダイヴ】
「はっはっは!!何を言うかミナミナ!!我が娘よ!!」
「そうですよミナミナ!何を言い出すんですか!」
「お嬢さま。旦那様に失礼ですよ」
「確かに我が国スカイラッシュ国は小国ではあるが!実の娘から!
金などとるものか!」
やった!日本語が通じたと喜ぶのも束の間、別の問題が大浮上する
言っている意味がわからない!ああ!ミナミナってわたしのこと!?二重じゃん!
仕方がない別の人だと思いをめぐらしななめに座っている‥
「あっ」
と今気づいた。この女の人着物をきてる!これなら何かわかるかも。
この女の人も凄い美人っ!!ストレートの髪も似合っている!
「あの‥」と声をかけようとした瞬間、美苗を凄まじい殺気がつつむ!
まるで愛しい旦那を馬鹿にされてような‥笑ってはいるが心の底は鬼っている!
女の人が巨大金棒をかつぐ姿が美苗の脳裏に突き刺さる!
【ハゴロモ・スカイダイブ】
「もうミナミナ。その冗談はいただけませんよーー」
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