5話①〜相沢先生は女子テニス部顧問〜
期末テストのちょっと前の話…
相沢先生は女子テニス部の顧問をしている。西赤崎高校の女子生徒全員がこの女子テニス部に所属している。
我々の高校は一風変わったキャンパスであり、女子テニス部の使用しているテニスコートは、陸上競技に使われる400mトラックの中央にあるのだ。
高校入学直後に
そのため、陸上部に入部届が殺到した。しかし、全校男子生徒304人が全員陸上部に入部することはできないと陸上部の顧問、藤井先生は冷酷無情にも言った。
「20人だけ取るから、集団面接やるぞー。」
なぜ部活に入るために面接なんざ必要なのだ。まあいいだろう。私は今までにどれだけの面接を受けてきたと思っているんだ。今では社長として面接する側なんだ。こんなので落とされるわけにはいかない。
「相沢先生を近くで見たいからです。」
真剣な表情で栗谷は面接で言った。こいつは落ちた。
「御部活動の理念と指導方法には感動しました。藤井先生はいつもお仕事お疲れ様です。そんなことより、授業中も素晴らしいご指導には日々感謝しております。どうか入部させてください。」
こうやるのだ、天然アフロの栗谷よ。もちろん、私はこうして陸上部に入部することができたのだ。なぜかわからないが、ケンゴロウも入部許可が出たみたいだ。
…
そんな陸上部ももう長く活動しているが、相沢先生率いる女子テニス部とはこれといったアクションが何もなかった。強いて言うならば、テニスの時にスカートを穿く相沢先生に皆メロメロだったくらいだ。
すると、ケンゴロウがひらめいたぞ!と言わんばかりにこっちを見てくる。
「おい、お前ら作戦がある。なんらかの方法で相沢先生のスカートをめくろうじゃないか!」
ケンゴロウ、やっていいことと悪いことがある…
もちろん、やろうではないか。他の部員も皆騒ぎ出し、今日は帰宅後、それぞれがスカートめくりのための道具を用意し、明日、実行に移すことにした。名付けて、スカートの中身はなんだろな作戦。まあ、私の財力があれば、どんなことだって可能だろう。
次の日の放課後…
「おい、お前ら何を用意してきた。」
400mトラックを同じスピードで走っている間に用意してきたものを見せ合った。
「俺はこれだ!」
ケンゴロウは小型扇風機を持ってきていた。小型扇風機の風でスカートめくりをしようとしていたのだ。スカートめくりしようと提案したとは思えないほどの本気のなさだ。
「失望したよ、ケンゴロウくん。」
と言いながら、私は昨日特注で作ってもらった超高性能扇風機をポケットから取り出した。サイズは全長20cmだが、最大距離200m遠くのターゲットにもしっかりと風が行き届く優れものだ。さらに、狙いが定めやすいように、銃の形をしている。23万円だ。
走っている最中に風を当てなければいけない。ちなみに相沢先生の性格と面倒見の良さは女子生徒も虜にしているため、女子4人は「相沢護衛隊」を名乗っている。
他の女子が風を送っていることに気がついてしまったら、多分相沢先生をガードされてしまうだろう。それに気をつけなければいけない。
いざ出陣だ!
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