第5話子猫の死
私が高校生の頃だと思います。
わが家に来た猫があまり長生きできなかった一時期がありました。
ご近所の猫も次々に亡くなったので、原因不明でしたが何かの病気かと思われていました。
前回ご紹介したジュリエットもそうだった可能性があります。
ご近所から譲り受けて、まだ名前も決めていなかった子を三匹同時に看取りました。
当時はまだ、今のように具合が悪かったら獣医に診てもらうという意識がなかった時代です。
子猫だったので、抵抗力が無かったのかもしれません。
ダンボール箱にタオルを敷いたベッドに三匹並んで寝ていて、なすすべも無く弱って行くのを、オロオロと見ているしかなかった、あの時の気持ちは忘れられません。
飼い猫は普通に生きても、十二~十五年。一番長く生きた子は二十年でしたが、いくら健康な猫でも必ず人間より先に逝ってしまいます。
猫を飼う以上は、その事を覚悟の上ですが、何度経験しても馴れないものです。
亡くなった直後は、もう飼うのはやめようと思います。
それなのに、しばらくすると、あのフワフワの毛並みが懐かしくなって、そうしていると、いつもご近所や知人から声がかかるのです。
「子猫生まれたんだけど、どう?」って。
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