第8話
一定数のストレスが溜まっているものの動く気力がある日は、ベランダから星を眺める。
鉄柵に身を任せ、ぐてーと倒れ込めば飛び降りの練習にもなるし、雨除けの屋根に隠れていた星を見れるしで一石二鳥である。
我が家があるのは郊外の小さな住宅街。
絶妙に都会で、絶妙に田舎でもない。中途半端。
でも、人と違って、土地は中途半端な方が子育てがしやすい。うるさすぎなくて、田舎みたいに干渉されすぎない。あぁ、いいなぁ。
まぁ、そんなんなので、我が家からは一等星や二等星ぐらいしかまともに観察することができないのだが、割とそれでも十分だ。
気が向いたら星座早見盤を手にして、形をなぞってみたり、月を凝視してみたり。声に出して「あれは琴座のベガ、あれは鷲座のアルタイル」と解説していると、なんだか学者になった気分になれるのである。
ちっぽけな私の、ちっぽけな趣味。
気取ってるしキザったいけど、ベッドタウンから眺める星空趣味、意外と気に入っているのです。
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